ガムボール3000

ガムボール3000：公道を舞台にした究極のラリー

ガムボール3000（The Gumball 3000）は、1999年にマキシミリオン・クーパーによって創設された国際的な公道ラリーです。その距離は約3000マイル（5000キロメートル）にも及び、主にヨーロッパを舞台に毎年開催されています。

創立の背景

元アルマーニのモデルであったマキシミリオン・クーパーは、富豪の友人たちを招待し、ヨーロッパを横断する豪華なドライブ旅行を企画しました。毎晩のようにパーティを開き、6日間かけて3000マイルを走破するという、優雅なイベントとして始まりました。初日には、ケイト・モスやガイ・リッチーなどの有名人も参加し、大きな話題となりました。

キャノンボールとの関係

ガムボール3000の起源は、1933年にバイクレーサーの"キャノンボール"ベイカーが、アメリカ大陸を54時間で横断したという伝説的な記録に遡ります。この記録を題材にした映画「キャノンボール」は、ジャッキー・チェンなどが出演し、人気を博しました。しかし、その危険性から、アメリカでは1979年にキャノンボールは禁止されました。クーパーは、このスピード重視のラリー形式に、豪華なナイトパーティの要素を加え、ガムボール3000として復活させました。これにより、長年封印されていたキャノンボールの精神が、再び脚光を浴びることになったのです。

世界的な注目

ガムボール3000は、CNN、MTV、BBCなどの主要メディアに取り上げられ、世界的に有名なイベントへと成長しました。単なる自動車レースではなく、エンターテイメント性も重視した点が、多くの人々を魅了し続けています。

ラリーの歴史

各年のラリーは、様々なルートで展開されています。

1999年：ロンドンを出発し、リミニを経由してパリに戻るコース。ル・マンのサルト・サーキットやフェラーリ博物館などがチェックポイントに設定されました。
2000年：ロンドンで初日のパーティが開かれ、スペイン国内からスタート。ニュルブルクリンクなども通過しました。
2001年：F1元世界王者のデイモン・ヒルも参加。ロンドンを出発し、東ヨーロッパ、北ヨーロッパを巡るルートでした。MTVの番組「ジャッカス」の出演者も参加し、話題となりました。
2002年：初めてヨーロッパ外で開催。ニューヨークからロサンゼルスを目指し、ホワイトハウスやグレイスランドなどを通過しました。
2003年：サンフランシスコからマイアミがゴール。ドイツ警察車両の外装を施したBMW・M5が優勝しました。
2004年：再びヨーロッパに戻り、パリからカンヌを目指すルート。クリス・ユーバンクやエイドリアン・ブロディなどの著名人が参加しました。
2005年：ロンドンからドゥブロヴニクへ向かい、その後モナコへ。ケータハム7を駆るチームがスピリットトロフィーを獲得しました。
2006年：過去最大規模で開催。ロンドンからアジアを経由してロサンゼルスへ。スヌープ・ドッグがパーティでライブを行いました。
2007年：ロンドンからイスタンブールへ向かう途中で、事故が発生し、大会は途中終了となりました。
2008年：10周年記念大会。サンフランシスコから北京へ。ナイトライダーのデビッド・ハッセルホフも参加し、北朝鮮を訪問しました。
2009年：サンタモニカからマイアミへ。
2010年：ロンドンからニューヨークへ。マイケル・マドセンが参加しました。
2011年：ロンドンからイスタンブールへ。
2012年：ニューヨークからロサンゼルスへ。
2013年：コペンハーゲンからモナコへ。
2014年：マイアミからイビサ島へ。
2015年：ストックホルムからラスベガスへ。ルイス・ハミルトンがケーニグセグ・アゲーラで参戦しました。
2017年：リガからミコノス島へ。

関連グッズ

ガムボール3000は、DVDやCDなどの関連グッズも多数販売されています。ラリーの模様を収録したDVDや、サウンドトラックCDなどが人気を集めています。

まとめ

ガムボール3000は、単なる自動車レースではなく、参加者たちが交流を深め、忘れられない思い出を作るためのイベントです。その豪華絢爛な雰囲気と、世界各地を巡るエキサイティングなルートは、多くの人々を魅了し続けています。

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