デビューアルバムに針を落として… おニャン子クラブ編

『デビューアルバムに針を落として… おニャン子クラブ編』：80年代アイドルシーンの軌跡

このアルバムは、1980年代後半に一世を風靡したアイドルグループ「おニャン子クラブ」とその関連ユニット、ソロアーティストのデビューシングルを網羅した、貴重なコンピレーションアルバムです。2006年9月20日にポニーキャニオンより発売されました。

収録されている楽曲は、おニャン子クラブ本体や、うしろゆびさされ組、ニャンギラスといった人気派生ユニット、そして河合その子、国生さゆり、渡辺美奈代ら、ソロで活躍したメンバーのデビューシングルを、各アーティストのファーストアルバム収録順に並べています。単純なデビュー順ではなく、アルバム発売順にこだわっている点が、このアルバムの大きな特徴と言えるでしょう。

注目すべきは、収録楽曲のレーベルの多様性です。ポニーキャニオンから発売された楽曲だけでなく、ソニーミュージック系列、ワーナー・パイオニア、フォーライフミュージックエンタテイメントなど、複数のレコード会社からリリースされた楽曲が収録されています。これは、おニャン子クラブとそのメンバーたちが、複数のレーベルに所属していたことを反映しています。例えば、河合その子、国生さゆり、渡辺美奈代、城之内早苗、渡辺満里奈、我妻佳代はソニーレコード系列、ニャンギラスはワーナー・パイオニア、吉沢秋絵はフォーライフミュージックエンタテイメントからそれぞれデビューしています。

ただし、このアルバムには、初CD化となる楽曲は収録されていません。多くの楽曲は、過去にアルバム単位でCD化されているため、既にCDを所有しているファンにとっては、改めて購入する必要性は低いのかもしれません。しかし、おニャン子クラブ黄金期の楽曲を、一挙に聴くことができるという点で、その価値は高いと言えるでしょう。

収録楽曲は、おニャン子クラブの代表曲「いじわるねDarlin'」から始まり、河合その子の「午後のパドドゥ」、新田恵利の「ピンクのリボン」、うしろゆびさされ組の「SE・KI・LA・LA」、そして国生さゆりの「“I Love You!”を翼にして」など、数々の名曲が収録されています。それぞれの楽曲は、秋元康氏を始めとする著名な作詞家、作曲家、編曲家によって制作されており、80年代アイドルサウンドを代表する作品として、高い評価を得ています。

さらに、ニャンギラスの「私は里歌ちゃん(Re-mix Version)」や、福永恵規の「SWEET REVOLUTION」、渡辺美奈代の「ピンクのパラダイス」、城之内早苗の「悲しみの粉雪」、高井麻巳子の「くちびるの願い」、渡辺満里奈の「ホリディ・ビジター」、内海和子の「手のひらの翼」、ゆうゆ with おニャン子クラブの「天使のボディーガード」、うしろ髪ひかれ隊の「あなたを知りたい」、工藤静香の「哀しみのエトランゼ」、我妻佳代の「アイツはハリケーン」、そして生稲晃子の「おとといおいで」など、多様な楽曲が収録されており、聴き応えのある内容となっています。

このアルバムは、単なるコンピレーションアルバムにとどまらず、80年代アイドルシーン、そしておニャン子クラブとその関連アーティストたちの歴史を凝縮した、貴重な一枚と言えるでしょう。当時を知る世代はもちろん、今の若い世代にも、その魅力が伝わることと思います。

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