デュプロ硬式野球部

デュプロ硬式野球部

デュプロ硬式野球部は、大阪府大阪市を活動拠点としていた社会人野球の企業チームです。日本野球連盟に所属していましたが、2008年にその歴史に終止符を打ちました。

このチームは、デュプログループに属する一販売会社、デュプロ株式会社（大阪府）が運営母体でした。しかし、グループの中心企業である株式会社デュプロ（神奈川県相模原市）や、東京都、香川県、福岡県などに存在する同名の他の販売会社とは直接的な関連はありませんでした。

沿革

チームの源流は1959年に設立された軟式野球部に遡ります。1966年、軟式野球部が硬式に改編され、「デュプロ印刷機」というチーム名で新たに活動を開始しました。当時の本拠地は京都府京都市に置かれ、この年には日本産業対抗野球大会（現在の社会人野球日本選手権大会の前身の一つ）に初めて出場を果たしました。1969年には、都市対抗野球大会にも初出場を記録しています（初戦敗退）。

1973年、チームは本拠地を京都から大阪府大阪市に移転しました。翌1974年にはチーム名を「デュプロ」と改称。本拠地移転後初めての都市対抗野球出場は1976年のことでした。その後も活動を続け、2000年には社会人野球日本選手権大会に初めて出場しています（2回戦敗退）。

実績と人材輩出

デュプロ硬式野球部は、長年にわたり社会人野球の中堅チームとして存在感を示しました。主要大会への出場実績は以下の通りです。

都市対抗野球大会：出場5回
日本産業対抗野球大会：出場3回
* 社会人野球日本選手権大会：出場4回

特に、日本選手権には2004年から2006年にかけて3年連続で出場するなど、安定した力を発揮しました。また、JABA広島大会では1998年と2005年に優勝を飾っています。

チームは、多くのプロ野球選手を育成し、球界に送り出したことでも知られています。主な出身選手としては、川口和久（広島東洋カープほか）、藤本敦士（阪神タイガースほか）などが挙げられます。その他にも、松本幸行（中日ドラゴンズ）、樫出三郎（阪神タイガース）、河村秀則（大洋ホエールズ）、池田茂（大洋ホエールズ）、金岡信男（南海ホークス）、木原彰彦（広島東洋カープ）、沼田浩（日本ハムファイターズ）、大島寛（西武ライオンズ）、柳田殖生（NOMOベースボールクラブを経て中日ドラゴンズ）、松本幸大（千葉ロッテマリーンズ）らがデュプロでプレーした後にプロ入りを果たしました。

また、プロ経験はないものの、元葛飾区議会議員の福本亜細亜氏や、廃部後千葉ロッテマリーンズのブルペン捕手となった味園博和氏など、野球界や他分野で活躍した人物も在籍していました。

終焉

約50年にわたるチームの歴史は、2008年に幕を閉じました。同年夏の都市対抗野球近畿地区二次予選が終了した後、その年限りでの解散が発表されたのです。解散の背景には、不況が深刻化する中で、野球部の活動を継続することに対する一般社員からの理解を得ることが難しくなったという企業の経営判断がありました。

同年秋に開催された日本選手権近畿地区予選が、チームにとって最後の公式戦となりました。予選敗退をもって、デュプロ硬式野球部は活動を終了。そして、2008年11月12日付けで正式に廃部扱いとなり、その歴史に静かに幕を下ろしました。

もう一度検索