デュページ郡 (イリノイ州)

イリノイ州デュページ郡

デュページ郡は、アメリカ合衆国イリノイ州に位置する郡で、シカゴ都市圏の一部を構成しています。2020年の国勢調査によると、人口は93万2877人で、イリノイ州内でクック郡に次いで2番目に人口が多い郡です。郡庁所在地はウィートン市であり、最大の都市はネイパービル市です。シカゴ・オヘア国際空港の一部が郡内に位置するほか、州内第2の都市オーロラも複数の郡に跨がっています。

歴史

デュページ郡は1839年2月9日にクック郡から分離して設立されました。郡の名前は、郡内を流れるデュページ川に由来しており、この川はフランス人毛皮交易業者デュページにちなんで名付けられました。1882年にルーファス・ブランチャードが著した「デュページ郡の歴史」に、この名称の由来が記録されています。

地理

アメリカ合衆国国勢調査局によると、デュページ郡の総面積は336.41平方マイル（871.3平方キロメートル）で、そのうち陸地が327.50平方マイル（848.2平方キロメートル）、水域が8.91平方マイル（23.1平方キロメートル）です。水域率は2.65％です。郡内にはデュページ川とソルト・クリークが流れており、郡内最高地点はマラード湖埋め立て地で、標高は982フィート（299メートル）です。

隣接する郡

北、東: クック郡
南: ウィル郡
南西: ケンドール郡
西: ケーン郡

気候

デュページ郡の気候は四季がはっきりしており、年間を通して気温の変化が見られます。郡庁所在地のウィートン市では、1月の平均気温は14°F（-10℃）、7月の平均気温は87°F（31℃）です。過去の最低気温は1985年1月に-26°F（-32℃）、最高気温は1995年7月に105°F（41℃）を記録しています。月間降水量は、2月の1.56インチ（40mm）から6月の4.60インチ（117mm）まで変動します。

人口動態

2010年の国勢調査によると、デュページ郡の人口は916,924人で、人種構成は白人が77.9％（うち非ヒスパニック白人70.5％）、黒人が4.6％、インディアンが0.3％、アジア人が10.1％（インド系4.5％、フィリピン系1.6％、中国系1.4％、パキスタン系0.7％、韓国系0.5％、ベトナム系0.4％、日系人0.1％）、太平洋諸島系が0.0％、その他が4.9％、混血が2.2％です。人種に関わらずヒスパニック系は13.3％を占めています。

経済

デュページ郡は、イリノイ州の技術研究回廊に位置し、多くの大企業が存在します。郡内には国内最大級の屋外モールであるオークブルックセンターをはじめ、複数のショッピングセンターがあります。また、ネイパービル、グレンエリン、ウィートン、ダウナーズグローブ、ハインズデールなどの町には、ブティック、大型チェーン店、レストランなどが立ち並ぶ繁華な中心街があります。郡内の一人当たり収入はアメリカ合衆国中西部で最高クラスであり、アメリカ国内でも上位に位置します。多くの町で平均世帯収入が10万ドルを超えています。

国立研究所

バタビア市には、世界で2番目に高速な衝突型粒子加速器を有するフェルミ国立[[加速器研究所]]があります。また、郡内南東部にはアメリカ合衆国政府の科学技術研究所として最大級のアルゴンヌ国立研究所があります。どちらの研究所も一般見学が可能です。

芸術と文化

建築

オークブルックテラス市にあるオークブルックテラス・タワーは、州内でシカゴ市を除けば最も高い建物です。エルムハースト美術館は、ミース・ファン・デル・ローエ設計の建物内にあります。エルムハースト市にはフランク・ロイド・ライトが設計した家があります。また、バートレット村には、ボカサンワシ・シュリ・アクシャー・プルショタム・スワミナラヤン・サンスタが建設した、大規模で美しい大理石寺院があります。

博物館

デュページ郡には、ライルのモートン樹木園、ネイパービルのネイパー・セトルメントとデュページ子供博物館、ウィートンのビリー・グラハム・センター、カンティグニー・エステイトとファーストディビジョン博物館、エルムハーストのリザード宝石細工博物館とエルムハースト美術館など、多様な博物館があります。

音楽と演劇

郡内には、ザ・ハッシュ・サウンド、ラッキー・ボーイズ・コンフュージョン、プレイン・ホワイト・ティーズなど、地元出身のバンドが活躍しています。オークブルックテラス市のドルーリー・レーン劇場は重要な演劇場であり、ダウナーズグローブのティボリ劇場は、音響設備を備えた初期の劇場として知られています。

公園、遊歩道、ゴルフコース

デュページ郡の領域のうち、37.5平方マイル（97.1平方キロメートル）は森林保護地域です。ライルのモートン樹木園、ウェストモントのタイ・ワーナー公園、ロンバードのリラシア公園、ネイパービルのセンテニアル・ビーチなどの公園があります。イリノイ・プレーリー・パスは、長さ116マイル（187キロメートル）の多目的遊歩道で、郡内を横断しています。また、多くのゴルフコースもあります。

政治

デュページ郡は、伝統的に共和党の支持が強い地域でしたが、2008年の大統領選挙では民主党のバラク・オバマを支持しました。

郡区

デュページ郡は9つの郡区に分割されています。

都市と村

郡内にはオーロラ、バタビア、シカゴ、ダーリエン、エルムハースト、ネイパービル、オークブルックテラス、セントチャールズ、ウォーレンビル、ウェストシカゴ、ウィートン、ウッドデールなどの都市や村があります。

教育

カレッジと大学

デュページ郡には、カレッジ・オブ・デュページ、ウィートン・カレッジ、ベネディクティン大学、エルムハースト・カレッジ、ノースセントラル・カレッジなど、多くの高等教育機関があります。また、ミッドウェスタン大学、ナショナル健康科学大学、ノーザン・バプテスト神学校、デブリー大学、ロバート・モリス大学、ナショナル・ルイス大学、デポール大学、ノーザンイリノイ大学、イリノイ工科大学などもキャンパスを構えています。

中等教育

郡内には、学術と運動の両面で実績のある公立高校が多く存在します。また、宗教系の私立高校もいくつかあります。

インフラ

医療

デュページ郡には、セントラルデュページ病院、エドワード病院、エルムハースト記念病院、アドベンティスト・ハインズデール病院、アドボケイト・グッドサマリタン、アドベンティスト・グレンオークス病院などの医療施設があります。

交通

郡内にはシカゴ・オヘア国際空港の一部があるほか、多くの鉄道路線、デュページ空港などの小さな空港があります。主要な道路としては、州道59号線、53号線、州間高速道路355号線、83号線、55号線、88号線、アメリカ国道34号線、州道56号線、38号線、64号線などがあります。

宗教

デュページ郡には数百の教会があります。ネイパービルのコミュニティ・クリスチャン教会は、国内で影響力のある教会として知られています。また、ウィートンにあるアメリカ神智学協会は、神智学、瞑想、ヨガに関する講義や授業を行っています。郡内には、イスラム教のモスク、ヒンドゥー教寺院、仏教寺院、ユダヤ教のシナゴーグなど、多様な宗教施設が存在します。

外部リンク

デュページ郡公式サイト
デュページ郡観光局
デュページ郡フェアグラウンド
デュページ郡歴史協会
デュページ郡森林保護地区
デュページ郡森林保護地区ゴルフ施設
* デュページ郡コミュニティイベントとリソース

もう一度検索