デルナ

リビアのデルナ：歴史と自然が織りなす港町

リビアのデルナ（Derna）は、地中海沿岸に位置する美しい港町で、緑豊かな山々に囲まれたユニークな環境を持っています。2011年には約10万人の人口が確認されており、デルナ県の県都としての役割を果たしています。デルナは、地中海の眺望と砂漠が交じり合う地理的特性を持ち、観光客を魅了しています。

地理的特徴

デルナはリビア東部に位置し、特に雨の多いジュベル・アフダル山地の東端にあります。周囲は肥沃な土地と広がる森林に恵まれており、快適な気候が特徴です。冬季には4度から14度程度まで気温が下がることがあり、時に氷点下に達することもあります。デルナ周辺では降水が多く、特に冬季に見られ、また、滝やワジ（乾季の間に水の流れが存在しない川床）でも知られています。

気候の特徴

デルナの気候は、ケッペン気候分類ではステップ気候（BSh）に分類されますが、地中海の影響が強く、降水量は主に10月から3月にかけて集中します。乾燥気候では珍しく、季節の変化が顕著に見られる場合があります。特にサハラ砂漠の影響で記録的な高温が見られることもあります。年間を通じて、冬の平均気温は9度から20度の間である一方、夏は長く、降水はほとんどありません。夏の午後の気温は6月から10月にかけて27度を超えることが常です。

歴史的背景

デルナの歴史は非常に古く、ヘレニズム時代にはキレナイカの五都市の一つとして知られていました。当時は「Darnis」と呼ばれており、ローマ帝国の時代にはその名が変わり、重要な宗教的中心地となりました。その後、イスラム教が広まり、1493年にはスペインアンダルシアからの難民を受け入れました。オスマン帝国の支配下では、デルナはトリポリの管轄に組み込まれ、1772年には最古のモスクであるAl-masjeed al-ateeqが建設されました。

1800年代に入ると、デルナはアメリカ合衆国との間で起こった第一次バーバリ戦争の舞台となります。デルナは数度の戦闘を経て、1835年にはベンガジのサンジャクに統合されました。イタリアの植民地時代には近代化が進められましたが、第二次世界大戦においては北アフリカ戦線の重要な地点となりました。

2011年にはリビア内戦の初期に反カダフィ派の拠点として知られ、その後も一時的な重要性を保ち続けました。

2023年の自然災害

2023年9月11日、デルナは豪雨の影響で2つのダムが決壊し、都市が激しい濁流に襲われました。この災害によって、2000人以上の命が失われ、数千人が行方不明とされています。決壊したのは、デルナダムとマンスールダムという2基のダムで、建設には1970年代にユーゴスラビアの建設会社が関与していました。

文化と観光

デルナには昔ながらのオスマン文化を反映した旧市街があり、観光客を惹きつけます。歴史的な建物やモスク、シナゴーグ、教会が立ち並び、活気に満ちたスーク（市場）が姿を見せます。また、サッカーも盛んで、四つのクラブが存在する中で、DarnisとAl Afriqiの2つが人気を競っています。デルナの広場、特にMaydan Assahabahは地域の重要な場所で、抗議活動などにも利用されています。

このように、デルナは歴史、自然、美が調和した魅力的な町であり、訪れる人々に数多くの思い出を提供することでしょう。

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