イスタンブール大学は、トルコの
イスタンブール市に位置する
国立大学であり、その歴史は
東ローマ帝国に設立されたコンスタンティノープル
大学にまで遡ります。この古代
大学は帝国の滅亡とともに消えましたが、
1453年には
オスマン帝国によって新たに
マドラサが設立されました。
1845年からは「科学の館」という意味のダリュルフヌン(Darülfünun)という名称が使用され、
1863年には高等教育機関として改組され、教育の近代化が進みました。
その後、
1871年に一時的に閉鎖されたものの、
1874年には再度「スルタンのダリュルフヌン」として再開されましたが、これも
1881年には閉館となりました。
1900年には帝国ダリュルフヌンと改名され、数学、文学、神学の課程が設置され、
1912年に
イスタンブール・ダリュルフヌンへと名称変更されました。特に、20世紀初頭の
トルコ革命の影響を受けて、
1933年には現代の
イスタンブール大学へと再編成されました。
学部とキャンパス
イスタンブール大学は、
法学部、政治学部、
神学部、
文学部、
理学部、
経済学部など、さまざまな学部を持ち、学生が多様な分野で学ぶことができる環境を整えています。特に
医学部にはチャパとジェラパシャの2つのキャンパスが設けられ、さらに
工学部、生物学部、
看護学部、獣
医学部、
経営学部、
健康科学部など多彩な学科が用意されています。
また、本部キャンパスは旧市街の中心、バヤズィト・モスクの近くに位置しており、
イスタンブールの豊かな文化に触れながら学びを進めることができます。他にも、ヴェズネジレル、アウジュラル、バフチェキョイ、チャパ、ジェラパシャ、カドゥキョイ各地にキャンパスが存在し、特に交通の便が良く、多くの学生がアクセスしやすい環境が整っています。
交通アクセス
イスタンブール大学へは、トラムのT1号線を利用することで、最寄り駅のBeyazıt-Kapalıçarşı駅やLaleli-Üniversite駅から簡単にアクセスできます。この利便性も、多くの学生が通学を続けやすい要因となっています。
主な出身者
イスタンブール大学は多くの著名な卒業生を輩出しており、政治の分野では、トルコ共和国大統領のアブドゥラー・ギュルをはじめ、歴代の首相たちもこの
大学の出身です。また、科学者としてはノーベル賞受賞者の
アジズ・サンジャルや、
ベーチェット病の発見者
フルス・ベーチェットなども名を連ねています。さらに、権威ある文学賞を受賞した作家の
オルハン・パムクも、この
大学の校友の一人です。
最後に、
イスタンブール大学はその歴史、学問の伝統、そして多様な学部構成により、教育機関としてだけでなく、文化的なシンボルとしても重要な役割を果たしています。