デンジル・ホリス (初代ホリス男爵)

初代ホリス男爵デンジル・ホリスの生涯

初代ホリス男爵デンジル・ホリス（1599年 - 1680年）は、清教徒革命（イングランド内戦）から王政復古期にかけてのイングランドで活躍した貴族・政治家です。彼は、議会派の指導者として頭角を現し、後に王政復古にも貢献しました。彼の生涯は、当時のイングランド政治の激動を象徴しています。

生い立ちと初期の政治活動

ホリスは、初代クレア伯爵ジョン・ホリスの次男として生まれました。1624年に庶民院議員となり、王室の専制に反対する議会特権擁護派としてその名を上げました。1629年には、チャールズ1世の命令で議会を解散しようとした議長ジョン・フィンチを妨害したことで、罰金刑を受け一時的に投獄されました。1640年からの長期議会でも、ジョン・ピム、ジョン・ハムデンらとともに反国王派の有力議員として活躍しました。1641年の根絶請願をめぐる論争では、オリバー・クロムウェルを擁護するなど、初期から政治的な手腕を発揮していました。

イングランド内戦での活躍

1642年、チャールズ1世によって逮捕の危機に晒されたホリスは、他の指導者たちとともに議会を脱出、第一次イングランド内戦では議会派として戦いました。シェアボーン城の襲撃に失敗、ブレントフォードの戦いでは負傷するなど苦戦も強いられましたが、議会派のために奮闘しました。

平和主義と失脚

内戦中、ホリスは早期の和睦を提唱しましたが、ピムの死後は和平派として主流派から遠ざけられていきました。王との交渉やクロムウェル告発を試みましたが、いずれも失敗に終わり、議会での主導権を失いました。内戦終結後、長老派の指導者と目されたホリスは、クロムウェルや独立派と対立し、軍縮を画策するなどしましたが、1648年にはプライドのパージによって追放されフランスへ亡命しました。

王政復古と晩年

クロムウェルの死後、ホリスはチャールズ2世と接触し、王政復古に尽力しました。その功績により、1661年にホリス男爵に叙せられ、外交官として活躍しました。1663年から1667年まで駐仏大使を務め、第二次英蘭戦争後のブレダの和約交渉にも参加しました。1680年に80歳で死去、革命時代の思い出を記した『回想録』は、貴重な歴史資料となっています。

結婚と家族

ホリスは生涯で3度結婚し、最初の妻ドロシー・アシュリーとの間に息子フランシス・ホリスをもうけました。後の2度の結婚では子供を授かりませんでした。

まとめ

デンジル・ホリスは、清教徒革命という激動の時代を生き抜き、議会派の指導者として、また王政復古に貢献した政治家として、歴史に名を残しました。彼の生涯は、当時のイングランド政治の複雑さと、激しい権力闘争を映し出しています。

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