デンマーク放送協会

デンマーク放送協会（DR）は、デンマークにおける公共放送局として、ラジオとテレビの両方の分野で重要な役割を果たしています。1925年に設立され、長年にわたりデンマークの社会と文化に深く根ざした存在です。本部をコペンハーゲンに構え、主にデンマーク語で放送を行っています。DRは、欧州放送連合（EBU）の創立メンバーの一員でもあります。

歴史

DRの歴史は、1925年4月1日の「放送システム（Radioordningen）」の発足に遡ります。翌1926年には、「国営放送（Statsradiofonien, 略称SR）」に改称されました。1927年8月27日にはラジオ放送を開始し、国民の生活に欠かせない情報源となりました。1939年には、デンマーク放送交響楽団（Radiounderholdnings-orkesteret）が設立され、音楽文化の発展にも貢献しています。

第二次世界大戦中、1943年から1944年にかけては、ナチス・ドイツによってデンマーク語の放送が禁止されるという苦難の時代もありました。しかし、1945年にはラジオ・ハウス（Radiohuset）が完成し、放送活動の拠点としての役割を果たしました。

1951年には、テレビ放送（PAL方式アナログ放送、モノクロ）を開始し、新たなメディアの時代を迎えました。1959年には、クラシック音楽とジャズ専門のラジオ局「P2」が開局し、音楽ファンに支持されました。同年には、社名を「デンマーク放送（Danmarks Radio, 略称DR）」に変更しました。

1963年1月1日には、若者向けのポピュラー音楽専門局「P3」が開局しました。これは、デンマークで番組を制作していた国際水域からの海賊放送局「ラジオ・メルキュール」の非合法化に対応したものでした。1965年には、コペンハーゲン郊外のグラドサクセに新本社ビル「テレビ・ビューウン（TV-Byen）」が完成し、放送設備の近代化が進められました。同年10月15日には、テレビ・ニュースが初めて放送されました。

1967年には、ラジオでFMステレオ放送が開始され、テレビではUHFによるカラー実験放送が開始されました。1970年には、電波帯の再編によりP3がFM化されました。1978年10月2日には、テレビ・ニュースがカラー化され、視覚的な情報伝達能力が向上しました。1983年には、テレビで文字多重放送が開始され、より多くの情報を提供できるようになりました。1988年には、テレビでNICAMによるステレオ放送が開始され、高音質な音声を楽しめるようになりました。

1996年には、従来の略称であったDRが正式な社名として採用されました。2005年3月31日には、デジタル・テレビ放送が開始され、高画質・高音質の放送が実現しました。2008年5月9日には、コペンハーゲン市内に新本社「DR Byen」（総面積13万2,000平方メートル）が完成しました。また、80年間放送を続けてきたカルンボー送信所からの長波アナログ放送が廃止されました。2009年には、DRコンサートホール（DR Koncerthuset）（2,200名収容）が開業し、音楽文化の発信拠点となっています。

主なチャンネル

DRは、ラジオとテレビで多様なチャンネルを提供しています。

ラジオ
P1
P2
P3
P4
テレビ
DR1
DR2
DR3
DR K
DR Ramasjang
DR Ultra

関連項目

DR放送交響楽団

外部リンク

デンマーク放送協会ウェブサイト'>デンマーク放送協会ウェブサイト

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