デ・ソト・カウンティ級戦車揚陸艦

デ・ソト・カウンティ級戦車揚陸艦

デ・ソト・カウンティ級戦車揚陸艦（De Soto County-class tank landing ships）は、アメリカ海軍で使用されていた大型戦車揚陸艦の系列です。この艦級は、基本計画番号SCB-119に基づいて設計され、LST-1級以降の揚陸艦シリーズの最終進化型となります。これにより、艦隊の陸上侵攻能力が大幅に向上しました。

設計の特徴

デ・ソト・カウンティ級は、前級であるテレボーン・パリッシュ級戦車揚陸艦と比べて約50%の排水量増加を果たしています。この大型化は、艦首門扉方式の採用によるもので、堪航性の改善が図られています。また、艦首デザインはさらに洗練され、主機の出力も増強されています。

この艦級の主機は、6基のディーゼルエンジンを使用したマルチプル・ディーゼル方式を採用し、推進器は2軸で構成されています。これにより、最大出力は15,000馬力に達しますが、艦隊行動に必要な20ノットの速度を実現するためには別の対策が求められました。実際には、最高速度は17ノットにとどまりました。

輸送能力

デ・ソト・カウンティ級の車両甲板は全長88メートル近く、1両あたり最大75トンの車両輸送が可能です。このため、中戦車23両と634名の兵員を搭載でき、合計500トンの貨物輸送能力を誇ります。加えて、テレボーン・パリッシュ級同様に上陸用舟艇を係留するためのダビットが両舷に2基ずつ設置されています。これにより、通常は車両人員揚陸艇（LCVP）を搭載することができます。

さらに、上甲板には汎用揚陸艇（LCU）を1隻、またヘリコプターを最大5機まで載せることができる設計になっています。

同型艦

デ・ソト・カウンティ級は、1954年・1955年度の計画で8隻の建造が認められましたが、その後、LST-1172は建造中止となり、最終的には他の艦と共に運用されました。これにより、アメリカ海軍の揚陸作戦における柔軟性が高まりました。

まとめ

全体として、デ・ソト・カウンティ級戦車揚陸艦は、アメリカ海軍の重要な揚陸艦隊の一部として機能し、戦車や兵員を迅速かつ効率的に上陸させるための設計がなされています。この艦級の導入は、戦略的な上陸作戦の実施において重要な役割を果たしました。

もう一度検索