デ・ハビランド・カナダ DHC-6

デ・ハビランド・カナダ DHC-6 ツイン・オッター

デ・ハビランド・カナダ DHC-6 ツイン・オッターは、カナダのデ・ハビランド・カナダが設計した小型旅客機であり、特に短い滑走路での離着陸が可能なSTOL（Short Takeoff and Landing）性能を誇ります。最大19人の乗客を運ぶことができるこの機体は、一般には「ツイン・オッター」として知られていますが、ダッシュ6（Dash 6）という別名でも親しまれています。この名称は、兄貴分のDHC-3「オッター」から派生したもので、オッターはカワウソを意味し、言葉遊びの観点から日本では「ツインオター」とも呼ばれています。

概要

DHC-6は1964年に開発が始まり、1965年に初飛行を迎えた後、1966年に量産機が初めて商業運航をしました。当初は未開発地域での運航を意識して設計された機体でしたが、ピルグリム航空が旅客便を開始したことで、多くのコミューター航空会社からの注目を集め、その人気は飛躍的に高まりました。また、スカイダイビング用の機体としても活用され、軍用機としてもアメリカをはじめとする多数の国で採用されているという実績があります。アメリカ軍ではUV-18という名称が付けられています。

DHC-6の胴体はDHC-3のものを拡張したもので、乗客数が増加しています。主翼は高翼構造で、約2メートル広げられ、垂直尾翼には後退角が設けられていて、機体の安定性を高めています。コックピットは従来のアナログ計器を主体とするシンプルな設計で、操縦桿は機体中央から延びるアームが左右に分かれるレイアウトを採用しています。これにより、操作性が向上し、乗務員の負担が軽減されています。さらに、DHC-6-400型については、グラスコックピット化が進められ、より最新の航空機技術が取り入れられています。

特筆すべき点として、DHC-6は前輪式の降着装置が採用されており、スキーやフロートの装備も可能です。例えば、スリランカ・エアタクシーでは水上機として利用され、観光客の移動手段として重宝されています。搭乗者からは、その頑丈な設計から「空の四輪駆動車」と称賛されることがあります。1988年にはデ・ハビランド・カナダでの生産が終了し、それまでに844機が製造されましたが、その後も小規模な運航会社では人気が高く、ボンバルディア社から製造権を取得したバイキング・エアによる改良型も登場しています。

型式

DHC-6の型式は以下の通りです：

• - -100：初期型、PT6A-20エンジン搭載、115機生産。
• - -200：機首および後部手荷物区画を拡張、115機生産。
• - -300：エンジンをPT6A-27に換装、他の改修もあり。
• - -300S：特別型、翼上面スポイラー等を装備。
• - -300M：軍用型、数種のバリエーションがある。
• - -400：バイキング・エア製、グラスコックピット化。

日本におけるDHC-6

日本においては1973年に南西航空、翌年には日本近距離航空がDHC-6の運航を開始しました。両社合わせて7機が登録されており、主に他の航空機による運航が難しい路線で利用されていました。特に、日本近距離航空の機体は座席数を減らしトイレを設置するなどの工夫が為されていました。しかし、2000年代に入り、老朽化や新機体への移行が進んだ結果、DHC-6の運航は一時的に終了しました。
その後、2014年には第一航空がDHC-6-400を導入し、沖縄での定期便運航を開始しましたが、事故が発生したことや運航再開と運休の繰り返しがありました。2021年には再び運航を再開しましたが、DHC-6の行く先は依然として注目されています。

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