デーブ・ジョンソン (陸上選手)

デーブ・ジョンソン（David "Dave" Allen Johnson、1963年4月7日 - ）は、アメリカ合衆国出身の元陸上競技選手です。十種競技の選手として1980年代から1990年代にかけて活躍し、1992年のバルセロナオリンピックでは銅メダルを獲得しました。

生い立ちと競技との出会い

ジョンソンはノースダコタ州で生まれ、モンタナ州ミズーラで少年時代を過ごしました。その後、家族と共にオレゴン州コーバリスへ転居しています。幼少の頃から運動能力に長け、小学生時代は野球とボクシング、中学生時代は陸上競技、タッチフットボール、バスケットボールに親しんでいました。しかし、高校時代にはオスグッド・シュラッター病を発症し、一時スポーツから離れることを余儀なくされました。

大学に進学後、ジョンソンは十種競技を始めます。持ち前の才能とたゆまぬトレーニングにより、彼は目覚ましい記録を次々と打ち立てていきました。1989年と1990年には、世界ランキング1位に輝き、当時の陸上競技界において最高のデカスリートと見なされるようになりました。

ライバル、ダン・オブライエンの出現

しかし、ジョンソンの前に新たなライバルが現れます。それは同じアメリカのダン・オブライエンでした。親友でもあったジョンソンとオブライエンは、常に1位、2位を争う関係でしたが、次第にオブライエンが力をつけ、世界ランキングでトップに躍り出ます。ジョンソンは「2日目の選手」と評されるようになりました。

1992年、バルセロナオリンピックの代表選考を兼ねた全米選手権。ジョンソンとオブライエンの代表入りは確実視されていましたが、なんとオブライエンは得意の棒高跳でまさかの記録なしに終わってしまいます。一方、ジョンソンは見事優勝を果たし、オリンピック出場を決めました。これにより、オブライエンの無念を背負い、ジョンソンへの金メダル獲得の期待がより一層高まりました。

バルセロナオリンピックでの苦難と栄光

しかし、バルセロナオリンピック本番で、ジョンソンはアクシデントに見舞われます。初日に左足を疲労骨折してしまったのです。それでも彼は諦めませんでした。シューズのサイズを大きくし、紐で足がきつく縛り、気力で2日目の競技に挑みました。満身創痍の中、金メダルには届かなかったものの、見事3位入賞を果たし、銅メダルを獲得しました。このメダルは、彼の不屈の精神を象徴するものとして、人々の記憶に深く刻まれました。

引退後

ジョンソンはその後、現役を引退し、現在はオレゴン州の高校で陸上競技のコーチを務め、後進の育成に力を注いでいます。

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