デーブ・スティーブ

デーブ・スティーブ：トロントの伝説的エース

デーブ・スティーブ（David Andrew Stieb, 1957年7月22日 - ）は、アメリカ合衆国カリフォルニア州サンタアナ出身の元メジャーリーグベースボール選手。トロント・ブルージェイズのエースとして1980年代に圧倒的な存在感を放ち、球団史に名を刻む数々の記録を打ち立てた。

ブルージェイズでの輝かしいキャリア

1978年のMLBドラフトでトロント・ブルージェイズから5巡目で指名され入団。当初は外野手だったが、その強肩を生かすために投手に転向。1979年にメジャーデビューを果たすと、1980年にはオールスターゲームに初選出されるなど、瞬く間にチームのエースへと成長を遂げた。

1982年にはリーグ最多となる19完投、5完封を記録し、サイ・ヤング賞の投票で4位に入る活躍を見せた。1985年には最優秀防御率のタイトルを獲得し、チームを球団創設以来初の地区優勝に導く原動力となった。カンザスシティ・ロイヤルズとのリーグチャンピオンシップシリーズでは第1戦で勝利投手となるなど、その実力をいかんなく発揮した。

1990年には自身初となるノーヒットノーランを達成し、自己最多の18勝を挙げるなど、まさに絶頂期を迎えた。

剛球と変化球で打者を圧倒

スティーブは、剛速球と鋭く変化するスライダーを武器とする典型的なパワーピッチャーだった。内角を厳しく攻める投球スタイルで、与死球リーグ1位を5度記録するなど、そのアグレッシブな投球は多くの打者を苦しめた。キャリア後半には「dead fish」と呼ばれたカーブも取り入れ、投球の幅を広げた。

ブルージェイズの記録を多数保持

175勝、2,873イニング、1,658奪三振、408先発、103完投、30完封、対戦打者11,965、オールスター出場7回はいずれもブルージェイズの球団記録として、今もなお輝きを放っている。

1980年代に記録した140勝は、ジャック・モリスに次ぐ2位であり、同時代を代表する投手の一人として記憶されている。

引退と殿堂入り

1991年以降は故障に苦しみ、1993年に一度引退。しかし、1998年に古巣ブルージェイズで現役復帰を果たし、再びマウンドに上がった。同年、2度目の引退。

その輝かしい功績が認められ、2005年にはカナダ野球殿堂入りを果たした。背番号37は、ブルージェイズのエクセレント・ナンバー（準永久欠番）として顕彰されている。

デーブ・スティーブは、トロント・ブルージェイズの歴史において、間違いなく最高の投手の一人であり、その名は永遠に語り継がれるだろう。

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