デーブ・マクナリー

デビッド・マクナリー：オリオールズ黄金期を支えた名投手

デビッド・アーサー・マクナリー（David Arthur McNally, 1942年10月31日 - 2002年12月1日）は、アメリカ合衆国モンタナ州ビリングス出身のプロ野球選手。主に1960年代から1970年代にかけて、ボルチモア・オリオールズでエースとして活躍した左腕投手です。

プロ入りとメジャーデビュー

1960年にボルチモア・オリオールズと契約し、1962年9月26日にカンザスシティ・アスレティックスとのダブルヘッダーでメジャーデビュー。この試合で被安打2の完封勝利を飾り、鮮烈なデビューを飾りました。1963年からは先発ローテーションに定着し、着実に実績を積み重ねていきます。

オリオールズ黄金時代の立役者

1966年には13勝を挙げ、チームのボルティモア移転後初のリーグ優勝に貢献。ロサンゼルス・ドジャースとのワールドシリーズでは、第1戦に先発し、第4戦では4安打完封勝利を挙げて、チームを球団史上初のワールドチャンピオンに導きました。1968年には22勝、防御率1.95、WHIP0.84という素晴らしい成績を残し、MVP投票で5位に入りました。特にWHIPは左腕投手としては歴代最高記録です。

1969年には開幕から15連勝を記録し、オールスターゲームにも初選出。ミネソタ・ツインズとのリーグチャンピオンシップシリーズでは、第2戦で延長11回を完封し、シリーズMVPに輝きました。ニューヨーク・メッツとのワールドシリーズでは惜しくも敗れましたが、第5戦で自ら本塁打を放つなど、印象的な活躍を見せました。

1970年には24勝を挙げ、最多勝のタイトルを獲得。チームも2年連続で地区優勝を果たしました。シンシナティ・レッズとのワールドシリーズでは、第3戦で完投勝利を挙げ、6回には投手としてシリーズ史上唯一の満塁本塁打を放ち、チームを4年ぶりのワールドチャンピオンに導きました。この年のサイ・ヤング賞の投票では2位に入っています。

1971年も21勝を挙げ、チームは3年連続でリーグ優勝。ピッツバーグ・パイレーツとのワールドシリーズでは第1戦で完投勝利を挙げるなど、チームを牽引しました。

その後と引退

1972年以降も活躍を続けましたが、1974年にモントリオール・エクスポズに移籍。しかし、契約問題からプレーすることなく、32歳という若さで引退しました。この契約問題は、後のフリーエージェント制度導入のきっかけになったと言われています。

プレースタイルと球種

マクナリーは、カーブ、スライダー、パームボール(チェンジアップ)を武器に、打者を打ち取る技巧派左腕でした。制球力が高く、ピンチにも動じない冷静さも持ち合わせていました。

死去と栄光

2002年12月1日、肺がんのため60歳で死去。その功績を称え、ボルチモア・オリオールズの殿堂入りを果たしています。

主要なタイトルと記録

最多勝利：1回（1970年）
MLBオールスターゲーム選出：3回（1969年、1970年、1972年）
* WHIP：0.84（1968年、左腕投手歴代1位）

デビッド・マクナリーは、オリオールズの黄金時代を支え、数々のタイトルと記録を残した、球史に残る名投手として、その名は永遠に語り継がれるでしょう。

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