デーヴァ・ラーヤ1世

デーヴァ・ラーヤ1世の生涯と治世

デーヴァ・ラーヤ1世（生年不詳 - 1422年）は、南インドのヴィジャヤナガル王国においてサンガマ朝の君主として1406年から1422年まで在位しました。彼の治世は複雑な政治状況や文化的変遷に彩られています。

王位継承と政治的対立

1406年、デーヴァ・ラーヤ1世は、兄のブッカ2世を王座から追放し、自らが王としての地位を確立しました。この時期、彼の父であるハリハラ2世の死によって引き起こされた王位継承に関する争いが、彼の治世の背景でした。しかし、その直後にはデカン地方のバフマニー朝が急速に力をつけており、デーヴァ・ラーヤ1世は王国に迫る脅威に対処しなければなりませんでした。

バフマニー朝との戦い

1414年には、デーヴァ・ラーヤ1世はフィールーズ・シャー・バフマニーとの間でトゥンガバトラー流域の支配を巡る戦闘に直面しました。この対立において敗北し、バフマニー朝の軍は彼の首都ヴィジャヤナガルにまで侵攻しました。最終的に、彼は和平を結び、この過程で多額の賠償金を支払い、珍しい宝飾品や象を渡すことが求められました。さらに、彼は自らの娘をフィールーズ・シャー・バフマニーに嫁がせ、結婚式には自ら出席し祝福を送りました。

文化的な業績

デーヴァ・ラーヤ1世の治世は軍事的な問題だけでなく、文化面にも重要な影響を与えました。彼は父王と同様に寺院を支持し、その中でも特にマッリカールジュナ寺院の建設に投資を行いました。これは彼の信仰の表れだけでなく、地域の人々にとっても重要な文化的中心として機能しました。また、彼の時期には芸術や学問が発展し、ヴィジャヤナガル王国の栄光が高まりました。

デーヴァ・ラーヤ1世の死とその後

1422年にデーヴァ・ラーヤ1世は死亡しました。彼の息子、ラーマチャンドラ・ラーヤが王位を継承しましたが、ラーマチャンドラは短命であったため、王位は次男のブッカ3世と孫のデーヴァ・ラーヤ2世による共同統治に渡ることとなりました。これにより、ヴィジャヤナガル王国は引き続き政治的に複雑な状況の中で運営されることとなったのです。

参考文献

• - 辛島昇『新版 世界各国史7 南アジア史』山川出版社、2004年。
• - 辛島昇『世界歴史大系 南アジア史3―南インド―』山川出版社、2007年。

関連文献

• - Dr. Suryanath U. Kamat, Concise history of Karnataka, MCC, Bangalore, 2001 (Reprinted 2002)

関連項目

• - ヴィジャヤナガル王国
• - サンガマ朝

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