デーヴィッド・プレイン

デーヴィッド・プレイン：医師と植物学者としての輝かしい生涯

デーヴィッド・プレイン (1857年 - 1944年) は、スコットランド出身の卓越した医師であり、同時に植物学の世界で重要な役割を果たした人物です。彼の生涯は、医学と植物学の両分野において、並外れた才能と献身的な努力によって彩られました。

プレインは、スコットランドのフェッターケアンで馬具商の家に生まれました。アバディーン大学で学び、その後エディンバラ大学に進学して1883年に医学博士号を取得します。卒業後はしばらく教師として職に就いていましたが、彼の真の情熱は医学研究と植物学にありました。

1882年にはエディンバラ医学校で、翌年にはアバディーン大学の解剖学のデモンストレーターを務めた後、彼はインドへと渡ります。この転機は、カルカッタ植物園園長だったジョージ・キングからの推薦がきっかけでした。キングは、インド医療サービスで働く医師に植物学への造詣が深い人材を求めていたのです。

インドでのプレインの活躍は目覚ましいものがありました。1887年にはカルカッタ標本館の学芸員に任命され、1898年にはカルカッタ植物園の園長に就任します。同時期には、インド植物調査局の局長も兼任し、ベンガル州におけるキナ樹の栽培を監督するなど、その活動範囲は広範に及びました。これらの職務は1905年まで続きました。さらに、1898年から1905年にかけては、カルカッタ医科大学の植物学教授も務めており、教育者としての顔も持っていました。

インドでの功績が認められ、1905年には英国の王立植物園（キューガーデン）の園長に就任。このポストは、植物学界における最高峰の一つであり、プレインの卓越した能力と国際的な評価の高さを示しています。

彼の業績は植物学のみにとどまりません。1905年に王立協会のフェローに選出され、1907年にはウプサラ大学から名誉博士号を授与されました。1912年にはスウェーデン王立科学アカデミーの会員となり、同年にはナイトの称号を授与されています。1916年から1919年にかけては、ロンドン・リンネ協会の会長を務め、植物学界をリードする存在として活躍しました。数々の栄誉は、彼の長年にわたる貢献と植物学への多大なる尽力を物語っています。また、1925年にはアルバート・メダル、1935年にはリンネ・メダルを受賞するなど、その業績は高く評価されました。クワ科の属の一つに、彼の名にちなんだ Prainea 属が命名されていることからも、彼の植物学への貢献がいかに大きかったかがわかります。

主要な著作として『Bengal Plants (1903)』があり、これはインドの植物相を理解する上で重要な参考文献となっています。

デーヴィッド・プレインは、医師としての高い専門性と、植物学への深い造詣を兼ね備えた稀有な人物でした。彼の生涯は、医学と植物学の両分野において、国際的な貢献を果たした稀有な存在として、後世に長く記憶されるに違いありません。

もう一度検索