トイ・ストーリー3

映画『トイ・ストーリー3』

『トイ・ストーリー3』（原題：Toy Story 3）は、2010年に公開されたアメリカのアニメーション映画で、ピクサー・アニメーション・スタジオが製作しました。日本では2010年7月10日に公開され、シリーズとしては初めてのデジタル3D映画作品となっています。

概要

この作品は、前作で示された「子供が成長し、おもちゃから去る」というテーマに正面から向き合っています。このテーマを掘り下げるために、主人公のアンディと観客である子供たちが大人になるまでにじっくりと制作が進められました。特に大人の観客にも楽しめる要素を意識した作風となっており、子供たちが成長する姿と、それに伴うおもちゃたちの運命との対比が描かれています。

本作は2014年4月時点で世界歴代興行収入第12位に君臨し、アニメーション映画としては2010年8月に『シュレック2』を超えて1位となりました。日本でも100億円を突破しましたが、観客動員数では『ライオン・キング』には及びませんでした。監督はリー・アンクリッチで、短編映画『デイ＆ナイト』が同時上映されました。

公開当初は本作がシリーズの最終作とされていましたが、ファンからの存続を希望する声が後を絶たず、続編やスピンオフが製作されることとなりました。2011年には短編『ハワイアン・バケーション』が、2012年には『ニセものバズがやって来た』が公開され、2014年にも新たなスペシャル番組が放送されるなど、シリーズの人気は続いています。

あらすじ

物語は第2作から数年後、17歳になったアンディが大学進学を控えて家を出る準備をするところから始まります。彼はウッディだけを大学に持っていくことを決め、他のおもちゃたちは屋根裏部屋にしまわれることに。しかし、屋根裏部屋行きのおもちゃが誤ってゴミに出される事件が起こります。難を逃れたおもちゃたちは、自分たちが捨てられたと誤解し、地元の託児所「サニーサイド保育園」に寄付されることを決意します。

サニーサイドに到着したおもちゃたちは、暖かく迎え入れられますが、優しいクマのぬいぐるみロッツォが実は恐怖政治を敷いていることを知りません。ウッディは仲間たちを救うため、サニーサイドに戻る決心をしますが、事態は深刻です。ロッツォは新入りのバズやジェシーたちを厳しく支配し、彼らが危険な環境にさらされる中で、ウッディは仲間たちを助け出すために脱出作戦を立てます。

彼らは様々な困難に直面しながらも、最後には仲間を助け出し、アンディの元へ帰ることができるのでしょうか。物語は友情や成長、愛情が試される感動的な展開へとつながります。

登場キャラクター

本作には多くの魅力的なキャラクターが登場します。主人公ウッディは、長年アンディのお気に入りのおもちゃで、自身の存在意義を問いながら仲間たちをまとめます。彼の親友バズ・ライトイヤーも重要な役割を果たし、新たな冒険の中で再び自己を取り戻す過程が描かれます。

サニーサイドにはロッツォという新たな敵キャラが登場し、彼の支配する中でおもちゃたちの運命が大きく揺れ動きます。新キャラクターのボニーやお豆3兄妹なども加わり、物語はますます深みを増していきます。

評価と興行成績

映画は公開時に高評価を得ており、Rotten Tomatoesでは99%の肯定的評価を受け、視聴者にはコメディ、冒険、ドラマが見事に融合した作品として賞賛されました。興行成績は北米での大ヒットとなり、全世界で10億6300万ドル以上を稼ぎ出しています。

『トイ・ストーリー3』はシリーズ内で特に感動的であり、世代を超えた友情や別れを描くことで多くの観客に愛される作品となりました。特に子供たちに向けた深いメッセージと大人への思慕が盛り込まれたこの映画は、単なるアニメーション以上の価値を持っています。

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