トゥグルグ

モンゴルの通貨単位：トゥグルク

モンゴル国の通貨単位はトゥグルク（Tugrik, モンゴル語: төгрөг）です。国際通貨コードはMNT、単位記号は「₮」で表されます。モンゴル語で「丸い」を意味するトゥグルクは、東アジア諸国の「圓」（円）と同様の概念を持つ通貨単位です。補助通貨としてムング（möngö）が存在しますが、実際にはほとんど使用されていません。

トゥグルクの歴史

1911年のモンゴル独立後も、中国の円銀や様々な国の銀両、ロシア・ルーブル、米ドルなどが流通していました。1924年、人民革命党政権はモンゴル商工業銀行を設立し、翌1925年には国家通貨としてトゥグルクの発行を決定。ソビエト連邦で製造された紙幣と銀貨が流通を開始しました。当初、1トゥグルクは純銀18gに相当する価値を持っていました。

1927年には、すべての財政計算をトゥグルクで行うことが決定され、1928年にはトゥグルクが唯一の通貨となりました。同年には金本位制も導入され、トゥグルクの価値強化が図られました。

貨幣は当初、モンゴル文字で表記されていましたが、1941年のソ連の民族主義否定政策の影響を受け、1946年からはキリル文字表記に変わりました。ソビエト連邦崩壊後の1994年からは、貨幣の表面にモンゴル文字が復活し、裏面にキリル文字が表記されるようになりました。

トゥグルク紙幣

モンゴル人民共和国時代（1992年まで）のトゥグルク紙幣は、ソビエト連邦ルーブルと非常に似ており、色やデザイン、額面設定などが共通していました。ソ連で印刷されていた紙幣は、1993年以降はイギリスで印刷されるようになりました。1993年版以降の紙幣のデザインは、ソ連時代のものとは異なり、モンゴルの文化や歴史を反映したデザインとなっています。現在流通している紙幣は、様々な額面があり、日常生活で広く使用されています。

トゥグルクとソ連ルーブル

モンゴル人民共和国時代、トゥグルクはソビエト連邦ルーブルと等価でした。これは、モンゴルの経済がソ連経済と密接に結びついていたことを示しています。ソ連崩壊後も、トゥグルクの為替レートは、ロシア・ルーブルや他の通貨との関係において変動を続けています。

まとめ

トゥグルクは、モンゴルの歴史と政治的背景を反映した通貨単位です。ソ連との関係性、金本位制の導入、そして表記文字の変化など、トゥグルクの歴史は、モンゴルの近代史を理解する上で重要な要素となっています。現在も流通しているトゥグルクは、モンゴルの経済活動を支える重要な役割を担っており、その価値は国際的な市場状況や国内経済状況によって変動しています。補助通貨であるムングは、事実上流通しておらず、トゥグルクがモンゴルにおける主要な通貨として機能しています。

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