トゥーペロの戦い

トゥーペロの戦い

トゥーペロの戦いは、1864年7月にミシシッピ州北部、テューペロ周辺で繰り広げられた南北戦争の戦闘です。当時、北軍のウィリアム・シャーマン将軍率いる部隊はジョージア州に進軍しており、その補給線を南軍の襲撃から守る必要がありました。この戦いは、アトランタ方面作戦と並行して行われ、北軍が勝利したことでシャーマン軍の補給線が確保され、その後の戦局に大きな影響を与えました。

戦闘の背景

1864年6月10日、ブライス交差点の戦いで南軍が勝利し、シャーマン軍の補給線は次第に脆弱になっていました。ミシシッピ州とテネシー州を管轄していた北軍のカドワラダー・ウォッシュバーン少将は、アンドリュー・J・スミス少将に指揮下の部隊を派遣し、南軍のネイサン・ベッドフォード・フォレスト少将が率いる騎兵隊に対処させようとしました。

戦闘の経過

スミス将軍は1864年7月11日にミシシッピ州北部に到着しました。フォレスト将軍は6,000名の部隊を率いていましたが、上官のスティーブン・D・リー少将から援軍が到着するまで攻撃を控えるよう命令を受けていました。翌日、リー将軍が2,000名の援軍を率いて到着しました。スミス将軍は、この状況を見て、一旦テューペロ方面に後退しました。フォレスト将軍はスミスの動きを撤退と捉えましたが、スミス将軍はテューペロで鉄道を破壊するつもりでした。7月13日の夜、スミス将軍はテューペロの西1.6kmにあるハリスバーグ近くに胸壁を築き、防御を固めました。

7月14日早朝、リー将軍は北軍の前線に攻撃を仕掛けました。リー将軍はジョセフ・A・モーワー将軍が率いる北軍の右翼を攻撃し、フォレスト将軍はデイビッド・ムーア大佐とベンジャミン・グリアソン将軍が指揮する北軍の左翼を攻撃しました。午前中、リー将軍とフォレスト将軍は何度も攻撃を試みましたが、北軍の防御陣地は強固で、連携も不足していたため、突破することはできませんでした。フォレスト将軍は後に、北軍の防御陣地は難攻不落だったと語っています。

夜間にスミス将軍はハリスバーグの廃墟に火を放ちましたが、その炎が北軍の前線を照らしました。フォレスト将軍は、黒人部隊が守る北軍左翼に対し夜襲を仕掛けましたが、黒人部隊はこれを撃退しました。7月15日、スミス将軍の軍は北に進軍を開始しました。フォレスト将軍はスミス将軍の後衛を攻撃しましたが、再び撃退され、自身も足を負傷しました。数日後、スミス将軍は出発点のテネシー州ラグランジェに戻りました。

戦闘の結果

スミス将軍は、フォレスト将軍の軍を完全に撃滅することはできませんでしたが、戦略的には北軍の勝利となりました。スミス将軍は、急いで戦場を離れたと批判されましたが、実際には、伝説的なフォレスト将軍に対して戦術的な勝利を収めていました。この勝利により、シャーマン軍の補給線は南軍の攻撃から守られ、シャーマン軍の進撃を支援することになりました。しかし、フォレスト将軍の騎兵隊は依然として戦力を保持しており、その後も活動を続けました。

記念

この戦いは、1929年に設立されたトゥーペロ国立戦場史跡として現在も記念されています。

関連項目

西部戦線 (南北戦争)

参考文献

CWSAC Battle Summary

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