トストーネ

トストーネは、未熟な調理用バナナをスライスし、油で二度揚げした料理です。スペイン語で「トーストする」という意味の動詞「tostar」に由来しており、カリッとした食感が特徴です。

作り方は、まずスライスしたバナナを黄金色になるまで1～2分間両面を揚げます。その後、余分な油を切ってから、「tostonera」と呼ばれる専用の道具、または類似の器具で平らに押しつぶします。最後に、再び油で揚げてカリカリになり、茶色く色づいたら完成です。

出来上がったトストーネには、塩を振ってポテトチップスのように食べるのが一般的です。地域によっては、モホと呼ばれるソースをつけたり、チーズを乗せて前菜として楽しまれることもあります。スーパーマーケットでは、揚げる前の状態で販売されていることもあり、家庭でも手軽に調理できます。

トストーネはカリブ海地域で広く親しまれており、ベネズエラ、コロンビア、エクアドル、ニカラグア、ホンジュラス北部、ハイチなどの中央アメリカや南アメリカでよく食べられています。ハイチでは「banan peze」と呼ばれ、伝統料理の「griot」（豚肉の揚げ物）や「pikliz」（唐辛子の酢漬け）と一緒に楽しまれています。コロンビア、ベネズエラ、エクアドルでは「patacones」という名前で知られています。また、西アフリカでも同様の料理が見られます。

バナナの代わりにパンノキが使われることもあります。パンノキを使用する場合も基本的な作り方は同じですが、外側の青い皮を剥く必要があります。パンノキのトストーネも、バナナと同様に美味しくいただけます。

トストーネは、地域によって様々なバリエーションがあり、その多様性が魅力です。カリブ海や中南米を訪れた際には、ぜひ味わってみてください。

また、ホンジュラスでは、現地の通貨レンピラの50セント硬貨を「Toston」と呼んでいます。これは、料理のトストーネと関連があるのかは不明です。

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