トスマー

トスマー：アメリカ競馬史に輝く名牝

1961年から1991年にかけて活躍した競走馬、トスマー。アメリカ合衆国で生まれ、類まれな才能で数々の栄光を手にした名牝です。その生涯と功績を紐解いていきましょう。

華麗なる競走馬時代

トスマーは、ケンタッキー州で生産されたサラブレッドの牝馬。裕福なサラブレッドオーナー、ユージン・モリ氏が所有するガーデンステート競馬場などの所有者として知られていました。幼駒のうちに10万ドルという高額でアンソニー・インベシ氏に買い取られ、ブライアーデールファームで競走馬としての道を歩み始めます。

恵まれた体格、15.3ハンド（約155cm）という牝馬としては大柄な体躯を誇り、ジョセフ・マーグラー調教師の指導の下、類まれな才能を開花させていきます。

2歳時(1963年)
デビュー戦を快勝で飾ると、その後は勢いに乗って7連勝。マーメイドステークス、アスタリタステークス、フリゼットステークスなど、2歳牝馬の主要競走を次々と制覇しました。この活躍により、『Daily Racing Form』紙と『Turf and Sports Digest』誌から最優秀2歳牝馬に選出される栄誉に輝きます。

3歳時(1964年)
3歳シーズンもトスマーの活躍は止まりません。古馬との対戦も辞さず、オールドハットなどの強豪を相手に14戦10勝2着3回という驚異的な成績を残しました。アーリントンクラシックステークス、ベルデイムステークス、マスケットハンデキャップなど、重要な競走を制し、最優秀3歳牝馬、そして『Daily Racing Form』紙からは最優秀ハンデキャップ牝馬にも選出されます。

4歳以降(1965年-1966年)
年齢を重ねるごとに勢いは衰えましたが、それでも4歳、5歳シーズンでそれぞれ3勝を挙げました。特に1965年のマスケットハンデキャップではアフェクショネイトリーをハナ差で破り、連覇を達成。さらに1966年にはジョン・B・キャンベルハンデキャップで、前年のケンタッキーダービー馬ラッキーデボネアを破る金星を挙げました。

繁殖牝馬としてのキャリアと殿堂入り

競走馬を引退したトスマーは、ブライアーデールファームで繁殖牝馬となりました。しかし、産駒は4頭と少なく、その成績も目覚ましいものではありませんでした。それでも、その輝かしい競走馬時代の功績が評価され、1984年にはアメリカ競馬名誉の殿堂博物館入りを果たします。これは、彼女の卓越した競走能力と数々の勝利が、競馬史に燦然と輝く功績として認められた証と言えるでしょう。1991年、トスマーはブライアーデールファームで生涯を終え、その地で眠りにつきました。

まとめ

トスマーは、短い競走生活の中で、類まれな才能と強い心臓、そして卓越した競走能力を示しました。数々の栄光を手にし、アメリカ競馬の歴史にその名を刻み込んだ名牝トスマーの生涯は、後世の競走馬たちに大きなインスピレーションを与え続けることでしょう。彼女の物語は、競走馬としての成功だけでなく、努力と才能が織りなすドラマとして、永遠に語り継がれていくに違いありません。

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