トト・クトゥーニョ

トト・クトゥーニョ：イタリア音楽界の巨星

トト・クトゥーニョ（Toto Cutugno、1943年7月7日 - 2023年8月22日）は、イタリアのシンガーソングライターであり、作曲家としても国際的な名声を得ました。彼の音楽は、甘美なメロディーと心に響く歌詞で、世界中の人々を魅了し、1億枚を超えるレコードを売り上げました。

生い立ちと音楽への目覚め

トスカーナ州フォズディノーヴォで生まれたクトゥーニョは、幼少期に家族とラ・スペツィア（リグーリア州）へ移り住みました。音楽のキャリアはドラマーとしてスタートし、その後、自身のバンド「トトとタティ」を結成し、自作曲を演奏しました。この経験が、彼の作曲家としての才能を開花させるきっかけとなりました。

作曲家としての成功

クトゥーニョは、自身の活動と並行して、数多くの国内外の歌手に楽曲を提供しました。特に、フランス系アメリカ人歌手のジョー・ダッサンのために作曲した「L'été indien」（「愛の挽歌 L'Ete Indien（Africa）」）、「Et si tu n'existais pas」、「Le Jardin du」などは、ダッサンの代表曲となり、世界的な大ヒットを記録しました。また、フランス人歌手ダリダのために共同作曲した「Laissez moi danser」（「Voglio l'anima」）も、プラチナレコードに輝く成功を収めました。

ソロ歌手としての飛躍

1976年、クトゥーニョはサンレモ音楽祭に初めて参加し、自身のバンドAlbatrosで3位に入賞しました。1977年にはソロ歌手に転身し、1980年代に入ると、「ソロ・ノイ」でサンレモ音楽祭で優勝を果たしました。そして1983年、彼のキャリアを代表する楽曲「L'italiano」（「The Italian」）がリリースされました。この曲は、イタリア語を肯定する歌詞とキャッチーなメロディーで、イタリア国内で爆発的な人気を博し、サンレモ音楽祭では5位入賞にとどまったものの、世界中で大ヒットしました。

ユーロビジョンでの栄光

クトゥーニョは、サンレモ音楽祭に計13回参加し、数々の入賞を果たしました。そして1990年、ユーゴスラビアで開催されたユーロビジョン・ソング・コンテストで、自作曲「Insieme: 1992」（ヨーロッパの政治統合とEUの設立を祝ったバラード）を歌い、イタリア勢として2度目の優勝を果たしました。当時46歳302日だったクトゥーニョは、ユーロビジョンの最年長優勝記録を更新し（2000年にオールセン・ブラザーズが優勝するまで記録を保持）、その名をヨーロッパの音楽史に刻みました。

その後

2023年8月22日、ミラノの病院で死去。80歳没。

音楽作品

クトゥーニョは、数多くのアルバムをリリースし、その音楽的才能を発揮しました。

Albatros (1976)
Come ieri, come oggi, come sempre (1978)
Voglio l'anima (1980)
L'italiano (1983)

その他多数。

トト・クトゥーニョの音楽は、これからも世界中の人々に愛され続けるでしょう。

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