トニー・クラーク

トニー・クラーク（Anthony Christopher Clark）は、1972年6月15日生まれ、カンザス州出身の元プロ野球選手です。主に一塁手として活躍しましたが、左翼手としてのプレー経験も持ちます。右投両打のスイッチヒッターであり、現在はMLB選手会の専務理事を務めています。

サンディエゴ州立大学時代には、野球だけでなくバスケットボールの選手としても才能を発揮しました。特にバスケットボールチームは強豪として知られ、全国制覇を成し遂げるほどでした。

プロ入り後、クラークはデトロイト・タイガースでレギュラーとして活躍し、2001年にはオールスターに選出されるなど、キャリアのピークを迎えました。しかし、2002年から2004年までの3年間は控えとしての出場機会が増え、不遇の時期を過ごします。2004年オフには、日本のプロ野球球団である阪神タイガースが獲得を検討していると報じられましたが、最終的には入団には至りませんでした。

2005年、クラークはアリゾナ・ダイヤモンドバックスに移籍し、見事に復活を遂げます。少ないチャンスを生かし、打率.307、30本塁打、87打点という素晴らしい成績を記録しました。この年、6年ぶりとなる自身4度目の30本塁打を達成し、同時に通算200本塁打も達成しています。しかし、翌2006年は怪我に苦しみ、シーズンの大半を欠場することとなりました。その後は代打としての出場が中心となり、2009年を最後に現役を引退しました。

引退後の2013年12月3日、クラークはMLB選手会の専務理事に就任し、現在に至ります。

エピソード

ヤンキースに所属していた2004年には、MLBの日本開幕戦に合わせてチームの一員として来日しています。3月29日に行われた阪神タイガースとのプレシーズンマッチ（東京ドーム）では、藪恵壹投手からバックスクリーン後方上部の大型ビジョンを直撃する特大の本塁打を放ち、日本のファンを驚かせました。

また、2004年7月29日にデレク・ロウ投手から放った本塁打は、ヤンキー・スタジアムの中堅後方の観客席まで届く特大ホームランでした。このセンターまで打球が到達したのは、1976年の同スタジアム改築以来、バーニー・ウィリアムズとダニー・タータブルに次いで3人目という記録的なものでした。

同じスイッチヒッターであるフェルナンド・セギノール選手は、2004年時点でクラークを「メジャーで一番パワーのあるスイッチヒッターだ」と評しており、その打撃力を高く評価していました。

背番号

17（1995年 - 1999年）
44（2000年 - 2001年）
22（2002年）
00（2003年 - 同年途中）
52（2003年途中 - 同年終了）
29（2004年）
34（2005年 - 2007年）
7（2008年 - 同年途中）
13（2008年途中 - 同年終了）
31（2009年）

表彰

週間MVP：3回（1996年9月23日 - 9月29日、1997年4月14日 - 4月20日、2000年6月19日 - 6月25日）

記録

MLBオールスターゲーム選出：1回（2001年）

トニー・クラークは、その強打と記憶に残るエピソードで、多くの野球ファンに愛された選手でした。

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