トニー・ジャー

トニー・ジャー: タイのアクション俳優

トニー・ジャー、彼の本名はパノム・イーラム（Panom Yeerum）であり、1976年2月5日にタイのスリン県で生まれました。彼は国外で「トニー・ジャー」として知られ、タイ国内では「タッチャコーン・イーラム」という名前で親しまれています。ジャーというあだ名は、タイの文化に根ざしたものであり、外国で響きが良く聞こえるように藝名を設けた結果、多くのファンに愛されています。

身長172cmの彼は、15歳の頃からスタントの世界に足を踏み入れ、パンナー・リッティクライの指導の元、練習に励みました。スタントマンとしてのキャリアを築くために香港に渡り、その地でさまざまな技術を磨くことになります。特に、ムエタイ、剣術、テコンドー、器械体操など、幅広い武道を修得し、他のアクション俳優とは一線を画す体力と技術を身につけました。

トニー・ジャーが特に評価されている点は、ワイヤーやCGを使わずに生身で行うアクションです。これは非常に難易度が高く、彼のスリリングな演技は多くの観客を魅了しました。大学時代からの友人であるダン・チューポンと共演した『七人のマッハ!!!!!!!』などを通じて、彼の名声は高まりました。

彼の名が国際的に広がるきっかけとなったのは、2003年に公開された映画『マッハ!!!!!!!!』です。この映画は海外でも注目を集める結果となり、トニーはアクション映画界における新たな星としての地位を確立しました。続く2005年の『トム・ヤム・クン!』では、故郷のスリン県と地元の名物である象が象徴的に扱われ、彼の地元への深い愛情が感じられます。

2010年5月から11月にかけて、彼は一時的に出家生活を送りましたが、後に還俗し、再び映画制作に専念しました。その後、2011年には『マッハ!無限大』の製作を発表、2013年10月にはタイ国内で公開されました。この作品は彼のアクションシーンの祭典とも言える内容が含まれ、ファンからの期待を裏切らない出来となりました。その後もトニーはアクション映画に出演し続け、2015年には『ワイルド・スピード SKY MISSION』での活躍が話題に。この映画の撮影中、主役のポール・ウォーカーが事故により亡くなる悲劇がありましたが、彼はその中で力を尽くして役を全うしました。

また、2014年にはドルフ・ラングレンと共演する『バトルヒート』の撮影も行い、アクション映画の多様性を体現しました。彼とドルフの共演は多くのアクションファンの間で大きな期待を寄せられています。

トニー・ジャーの最新作『A Man Will Rise』は、タイの村を舞台にしたアクションコメディで、未完成のまま契約問題にこじれるなど、彼のキャリアにおける波乱があったことも特筆に値します。この作品は1950年代のタイを背景に、ギャングに立ち向かう「男トニー・ジャー」の姿を描いています。

日本では、彼の映画の日本語吹き替えを浪川大輔が手掛けることが多く、これにより若い世代の視聴者にも彼の魅力が伝わっています。

トニー・ジャーは卓越したアクションスタイルと独自の魅力で、今後も多くのファンに支持されることでしょう。

もう一度検索