トニー・ラゼリ

トニー・ラゼリ：強打の二塁手、その輝かしい軌跡

アンソニー・マイケル・"トニー"・ラゼリ（1903年12月6日 - 1946年8月6日）は、アメリカ・メジャーリーグで1920年代から1930年代にかけて活躍した名選手です。ポジションは主に二塁手で、右投げ右打ちの強打者として知られました。サンフランシスコで生まれ、その豪快な打撃から"Poosh'Em Up"というニックネームで親しまれました。

ヤンキース入団と「殺人打線」の一員として

1925年、ラゼリはパシフィックコーストリーグのソルトレイクシティ球団からニューヨーク・ヤンキースに入団しました。マイナーリーグでは驚異的な成績を残し、60本塁打、222打点を記録。1926年にメジャーデビューを果たすと、1年目から打率.275、18本塁打、114打点という好成績を残しました。また、同年にはワールドシリーズにも出場しています。

ラゼリは、1937年まで12年間ヤンキースに在籍し、ベーブ・ルースやルー・ゲーリッグらとともに「マーダラーズ・ロー（殺人打線）」の中核を担いました。1929年には打率.354を記録したほか、通算5シーズンで打率3割以上、7シーズンで100打点以上を達成。6度のワールドシリーズ出場を果たし、チームの黄金時代を支えました。

記録に残る活躍

ラゼリは、1936年5月24日の試合で、1試合2本の満塁ホームランを含む1試合11打点というアメリカンリーグ記録を樹立しました。また、その前日の試合と合わせて2試合で15打点を記録し、メジャーリーグ記録を更新。1932年にはサイクル[[安打]]も達成しています。

ヤンキース退団と現役引退

1937年、ヤンキースを放出されたラゼリは、1938年にシカゴ・カブスへ移籍しました。しかし、出場機会は限られ、54試合の出場にとどまりました。この年、カブスはナショナルリーグを制覇し、ラゼリ自身7度目のワールドシリーズ出場を果たしましたが、ヒットを打つことはできませんでした。翌1939年に現役を引退しました。

晩年と殿堂入り

1946年、ラゼリはカリフォルニア州の自宅で心臓発作のため42歳という若さで亡くなりました。彼は生涯癲癇（てんかん）を患っていたと伝えられています。しかし、その功績は色褪せることなく、1991年にベテランズ委員会によってアメリカ野球殿堂入りを果たしました。

成績と記録

ワールドシリーズ出場：7回（1926年 - 1928年、1932年、1936年 - 1938年）
スポーティングニューズ誌オールスターチーム選出：1932年
1試合2本の満塁ホームラン、および1試合最多打点11（1936年5月24日：アメリカンリーグ記録）
連続2試合での合計打点：15（1936年5月23日、24日：メジャーリーグ記録）
サイクル[[安打]]：1932年6月3日

トニー・ラゼリは、その優れた打撃力と勝負強さで、ヤンキースの黄金時代を築いた立役者の一人です。彼の記録と記憶は、今も野球ファンに語り継がれています。

参考資料

Baseballhalloffame.org（英語） – アメリカ野球殿堂による紹介
* 選手の通算成績と情報：Baseball-Reference, Fangraphs, The Baseball Cube, Baseball-Reference (Register)

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