トマス・ユーイング

トマス・ユーイング: アメリカ合衆国の政治家

トマス・ユーイング（1789年12月28日 - 1871年10月26日）は、アメリカの歴史において重要な役割を果たした政治家である。彼は第14代財務長官と初代内務長官を務め、多岐にわたる業績を残した。

生い立ちと初期の経歴

ユーイングはバージニア州のウェスト・リバティーで誕生し、後にオハイオ州のオハイオ大学で学んだ。1817年、彼はオハイオ州ランカスターにて弁護士としてのキャリアをスタートさせた。この時期に、ユーイングの法律家としての知識と経験が培われていった。

議員時代

1830年、ユーイングはホイッグ党からアメリカ合衆国上院議員に選出され、1836年までの3期にわたってその職を務めた。彼の上院在任中、特にアンドリュー・ジャクソン大統領の政策、特に第二合衆国銀行の廃止に対する反対意見が目立った。ユーイングは国立銀行の再設立を主張し、その見解は当時の財政に影響を与えた。

財務長官時代

1841年にウィリアム・ハリソン大統領が就任すると、ユーイングは財務長官として指名された。彼の任期は非常に短期間に及び、ハリソン大統領の急死という大きな出来事が関わった。新たに副大統領となったジョン・タイラー大統領は、ユーイングに対して政府の資金を管理する新たな方策を考案するよう求めた。

ユーイングはこの要請に応え、合衆国国庫銀行の設立案を議会に提出したが、最終的には憲法上の問題を理由にタイラー大統領に拒否されることとなった。その後もユーイングは様々な政治的提案を行ったが、全てが実現することはなかった。最終的には、彼はタイラー大統領への抗議として内閣を辞任した。

内務長官時代

1849年、ザカリー・テイラーが大統領に就任した際、新設された内務省の初代長官としてユーイングが再び指名された。内務省が立ち上げられた当初、彼は十分な事務所スペースを確保できなかったため、テナントビルを賃貸する必要があった。1852年に特許庁が新たに建設したビルへ移転することができたが、仕事の進行において様々な困難があった。

ユーイングは国有地管理局を財務省に統合し、インディアン局も陸軍省に統合するなど、省庁の再編を進めたが、この施策は政治的腐敗を引き起こす一因ともなった。1850年にはメディアからの批判を受け、内務長官を辞任することになる。

晩年

内務長官退任後、ユーイングは上院議員としての役割も再び引き受けるが、その対立や競争が影響して再選には失敗した。彼は1871年にオハイオ州ランカスターにて生涯を閉じ、その遺体は同市のセント・マリーズ墓地に埋葬された。特筆すべきは、ユーイングが南北戦争の英雄であるウィリアム・シャーマンを養子として育てたこと、そして彼の娘とシャーマンが結婚したことだ。このように、ユーイングはアメリカの政治と人間関係において重要な影響を及ぼした人物であった。

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