トミックスワールドテックステーション大宮

トミックスワールドテックステーション大宮：鉄道模型ファンの聖地

2013年4月21日、さいたま市大宮区にオープンした「トミックスワールドテックステーション大宮」は、模型メーカーTOMIXの直営ショールームとして、多くの鉄道模型ファンに親しまれていました。大宮駅西口から徒歩3分というアクセス抜群の立地、そして『鉄道の町』として知られる大宮に初めて常設されたTOMIXのショールームという点が、その人気を支えていました。

ショールームのコンセプトは、既存ユーザーへのサービス向上と、新しいファン層の獲得。そのため、ショールームとしての展示機能に加え、修理受付や相談窓口といったサービスセンターとしての役割も担っていました。TOMIXブランドのNゲージ製品をほぼ網羅したショーケース展示に加え、ここでしか手に入らない限定品も販売され、全国各地から多くのファンが訪れていました。

店内は、ノスタルジックな雰囲気を醸し出していました。入口は木製の改札口をイメージしたデザインで、正面にはブランドコンセプトや新製品を紹介するモニュメントが配置されていました。奥のカウンターは、往年の修学旅行列車を思わせる意匠が施され、細部までこだわり抜かれた空間でした。

ショールームの目玉の一つが、常設のジオラマレイアウトでした。4メートルを超える大規模な固定式レイアウトでは、来場者が実際に運転体験をすることができました（持ち込み車両は不可）。さらに、小型のレイアウトも複数設置されており、様々なレイアウトを気軽に楽しむことができました。これらのレイアウトには、自動踏切システムや自動運転システムが組み込まれており、高度な技術も垣間見ることができました。

展示スペースでは、Nゲージと16番ゲージの車両、ストラクチャー、レール、ジオコレ製品など、TOMIX製品が豊富に展示されていました。発売前の試作品なども展示され、ファンにとってはまさに宝箱のような場所でした。また、模型製作スペースである「ホビールーム」や、ジオラマ製作教室やNゲージ車両組立教室などのカルチャースクールを開催していた「多目的ルーム」も備えていました。

インフォメーションコーナーでは、鉄道模型に関するあらゆる相談に対応。新製品を除くTOMIX製品の販売や修理受付も行っており、ユーザーサポートにも力を入れていました。他社製品の販売は行っていませんでしたが、TOMIX製品を購入した顧客には、スタンプカードやメンバーズカードといったサービスも提供されていました。

残念ながら、2019年1月31日をもって「トミックスワールドテックステーション大宮」は営業を終了しました。しかし、その歴史と人気は、2019年7月27日に東京・神田に移転オープンした「トミックスショールーム東京」へと引き継がれています。大宮に存在した期間は短かったものの、多くの鉄道模型ファンにとって、忘れられない思い出の場所として記憶されています。

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