トムさんと悪友

トムさんと悪友：悪友との夜遊びと、眠気との闘い

1951年5月26日に公開された、トムとジェリーシリーズの一作品『トムさんと悪友』（原題：Sleepy-Time Tom）は、陽気な騒動と、トムのどうしようもない眠気、そしてジェリーのいたずら心が見事に絡み合った、傑作短編アニメーションです。

ストーリー

夜通し悪友のブッチとその仲間たちと騒ぎまくったトムは、疲労困憊の状態で帰宅します。しかし、そこには激怒したお手伝いさんが待ち構えていました。お手伝いさんは、トムの代わりに一晩中冷蔵庫を守っていたことを激しく非難し、トムに冷蔵庫番を命じ、少しでも眠れば家から追い出すと厳しく警告します。

この状況を面白がったジェリーは、熟睡しているトムを様々な方法で起こそうと画策します。ジェリーは、トムにパンを枕にしたり、転ばせたりと、トムを眠らせないようにあらゆる手段を使いますが、トムはあまりの眠気に耐え切れず、すぐに眠ってしまいます。その度に、トムのいびきを聞きつけたお手伝いさんはトムを叱りつけます。

トムは眠気をこらえるため、目蓋に突っかい棒を入れたり、テープで目を閉じないようにしたり、大量のコーヒーを飲んでみたりと、様々な方法を試みますが、どれも効果はありません。ついにトムは、目蓋に目を描き、起きているふりをしようとしますが、それでもジェリーはトムを眠らせる機会をうかがいます。

ジェリーは、トムの尻毛を抜き、無理やり起こします。激怒したトムはジェリーを追いかけますが、そこには「素敵なベッド、あります」という看板が。もちろんこれはジェリーの策略で、看板の指す先には、お手伝いさんの快適そうなベッドがありました。トムは何も知らずにベッドに飛び込み、すぐに眠ってしまいます。

お手伝いさんは、トムが自分のベッドで寝ているのを見つけ、当初の約束通り、トムを家から追い出します。路上のレンガを枕にして眠りについたトムの前に、再び悪友のブッチたちが現れ、彼らに連れられて、トムは夜の街へと消えていくのでした。

キャラクター

トム: 夜の街で遊んだ後、お手伝いさんに冷蔵庫番を命じられるが、眠気に襲われ、ジェリーの策略で、お手伝いさんのベッドで眠ってしまい、家から追い出される。その後、悪友たちに再び連れ去られる。
ジェリー: トムがお手伝いさんに冷蔵庫番を命じられたことを知り、トムを眠らせる様々な策略を巡らせる。最終的にトムをお手伝いさんの寝室に誘導し、トムが追い出されるのを満足げに見届けた後、冷蔵庫の中身を漁る。
お手伝いさん: トムの代わりに一晩中冷蔵庫番をしたことに腹を立て、トムを厳しく叱責し、冷蔵庫番を命じる。ジェリーの策略により、トムが自分の寝室で眠っているのを見つけ、トムを家から追い出す。
ブッチ、フランキー、ライトニング: トムを夜の街に誘い、一晩中一緒に遊んだ悪友たち。トムが家から追い出されたのを見つけ、再び彼を夜の街へと連れ出す。

制作スタッフ

監督：ウィリアム・ハンナ、ジョセフ・バーベラ
製作：フレッド・クインビー
作画：ケネス・ミューズ、エド・バージ、レイ・パターソン、アーヴン・スペンス
音楽：スコット・ブラッドリー

この作品は、トムとジェリーのコミカルなやり取り、そして予測不能な展開によって、観る者を飽きさせない魅力を持っています。トムのどうしようもない眠気と、ジェリーのいたずら好きが絶妙に絡み合い、テンポの良いギャグが次々と繰り広げられる、まさに名作と言えるでしょう。

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