トムとジェリー魔法の指輪

トムとジェリー 魔法の指輪：解説

『トムとジェリー 魔法の指輪』（Tom and Jerry: The Magic Ring）は、2001年11月12日に公開された、人気アニメシリーズ『トムとジェリー』のOVA作品です。ハンナ・バーベラ・プロダクションによるオリジナル短編をOVAとしてリメイクした、記念すべき最初の作品でもあります。

この作品には、制作に携わったウィリアム・ハンナ氏の深い思いが込められています。彼が他界されたのは、この作品公開の3ヶ月前、2001年3月22日のことでした。そのため、『トムとジェリー 魔法の指輪』は、彼の遺作として、多くのファンにとって特別な意味を持つ作品となっています。さらに、この作品はワーナー・ブラザースがプロデュースした、初のトムとジェリー作品という点でも注目に値します。

ストーリー：魔法の指輪と大騒動！

物語は、不気味な家でトムとジェリーがいつものように追いかけっこをしているところから始まります。その際、トムは偶然にも魔法使いの研究室に迷い込んでしまいます。魔法使いは、トムに魔法の指輪を託し、コルカタ（カルカッタ）へ向かうよう指示します。しかし、ジェリーがいたずら心からその指輪を頭にかぶってしまい、抜けなくなってしまうのです。

指輪を奪われたと勘違いしたトムは、魔法使いに追い出されることを恐れて、街の人々や動物たちを巻き込みながら、指輪とジェリーを追いかける大冒険へと飛び出します。コルカタの街を舞台に、トムとジェリー、そして様々なキャラクターたちが織りなす、ドタバタ劇が展開していきます。

登場キャラクター：個性豊かな面々

本作には、お馴染みのトムとジェリーに加え、個性豊かなキャラクターたちが多数登場します。

トム: ジェリーのライバルである猫。魔法使いから指輪の管理を任されますが、指輪をかぶったジェリーを追いかけるうちに、大都会へと迷い込んでしまいます。物語の終盤では、自ら魔法の指輪を着用してしまい、魔法使いの怒りを買ってしまいます。
ジェリー: トムのライバルであるネズミ。いたずらから指輪を頭にかぶって抜けなくなり、物語の大半をその状態で過ごします。最後は指輪から解放され、魔法の力で魚をチーズに変えてしまうという、愉快な結末を迎えます。
ニブルス: ペットショップにいるネズミの赤ちゃん。フレディとジョーイにいじめられていましたが、ジェリーによって救われます。指輪の力で巨大化し、チーズになったフレディとジョーイを追いかける活躍を見せます。後の作品ではタフィと呼ばれています。
フレディとジョーイ: ニブルスをいじめていた悪ガキネズミ。ジェリーの指輪の魔法でチーズにされてしまい、ニブルスに追いかけられる羽目になります。
スパイク: ペットショップにいる犬。トムを追いかける重要なキャラクターです。
タイク: スパイクの息子。スパイクと共にトムを追いかけます。
ドルーピー: 水晶玉を使う予言者（吹き替えでは超能力者）。トムとジェリーが逃げ込んだバスを運転します。
魔法使い: 指輪の魔法使い。トムに指輪の管理を任せた張本人です。

制作スタッフとキャスト：豪華な面々

『トムとジェリー 魔法の指輪』には、数々の才能あるスタッフとキャストが参加しています。監督はジェームズ・T・ウォーカー、音楽はJ・エリック・シュミットが担当。制作にはトム・ミントン、キャスリン・ページ、ジーン・マッカーディ、そしてウィリアム・ハンナ、ジョセフ・バーベラといった、そうそうたる面々が名を連ねています。

日本語吹き替え版では、トム役に肝付兼太、ジェリー役に堀絢子、ドルーピー役に中尾隆聖など、豪華な声優陣が参加しています。

まとめ

『トムとジェリー 魔法の指輪』は、魔法の指輪を巡るトムとジェリー、そして個性豊かなキャラクターたちの、ユーモラスでスリリングな冒険を描いた、見ごたえのある作品です。ハンナ・バーベラ最後の輝きとも言える、本作の魅力をぜひご堪能ください。

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