トム・ジョンストン:ドゥービー・ブラザーズを創設したロックミュージシャン
チャールズ・トーマス・"トム"・ジョンストンは、
1948年8月15日、
カリフォルニア州バイセイリアで生まれました。彼は、アメリカを代表するバンドの一つ、
ドゥービー・ブラザーズの創設メンバーとして知られるロックミュージシャンであり、
作曲家です。ボーカルの他、
ギター、
ハーモニカ、
ピアノなど様々な楽器を演奏します。
音楽的ルーツと初期のキャリア
12歳で
ギターを始めたジョンストンは、14歳で最初のバンドを結成しました。彼の音楽的なルーツは、
リトル・リチャード、
ボ・ディドリー、
エルヴィス・プレスリー、
ジェームス・ブラウンといった1950~60年代の
リズム・アンド・ブルースにあります。キャリアの初期には、様々なバンドで演奏し、ソウルとラテンをミックスした
メキシコのパーティー・バンドでも活動しました。
大学卒業後、ジョンストンは
サンノゼに移り住み、そこを拠点に活動するようになります。そこで、元
ジェファーソン・エアプレインのメンバーであり、
ドゥービー・ブラザーズに多大な影響を与えたモビー・グレープのオリジナル・メンバー、スキップ・スペンスに出会います。スペンスは
ジョン・ハートマン(ドラム)にジョンストンを紹介し、ジョンストンとハートマンは、ベースにグレッグ・マーフィーを迎えてPudを結成しました。Pudは、
サンノゼおよび周辺の多くのクラブで演奏し、マーフィーはまもなくデイヴ・ショグレンに交代、メンバー募集によりパトリック・シモンズが加入し、Pudは
ドゥービー・ブラザーズと名前を変えました。
ジョンストンは、「リッスン・トゥ・ザ・ミュージック」「ロッキン・ダウン・ザ・ハイウェイ」「チャイナ・グローブ」「ロング・トレイン・ランニン」といった、
ドゥービー・ブラザーズの初期のヒット曲の多くを書き、自ら歌いました。バイカー・スタイルの荒々しいロックとアコースティック・
ギターによるフォーキーな作風を中心とした初期のグループのスタイルを、その中心となって牽引しました。
しかし、長年のロック的なライフスタイルは彼の健康を害し、
1975年、アルバム『スタンピード』のプロモーションツアー直前に入院加療のためツアーを離脱します。彼のツアー離脱により、ドゥービーズには元
スティーリー・ダンのツアー・メンバーであったマイケル・マクドナルドが加入し、より洗練された都会的でソウルフルなナンバーを中心としたグループに生まれ変わりました。数年かけて健康状態を回復したにもかかわらず、グループへの影響力を著しく低下させたジョンストンは
1977年にグループを脱退し、"Everything You've Heard Is True"、"Still Feels Good"の2枚のソロ・アルバムを発表しました。
ソロ活動と再結成
1970年代終盤から
1980年代前半にかけては、ドゥービーズ時代の同僚ハートマンをドラムスに迎え、トム・ジョンストン・バンドとしてツアーを行いました。
1985年には、同じくドゥービーズのメンバーであったマイケル・ホサックを含むバンド、ボーダー・パトロールでクラブ・ツアーを行いましたが、レコーディングには至りませんでした。
1987年には、映画「ダーティ・ダンシング」のサウンドトラックに"Where Are You Tonight?"を提供しました。同年、ベトナム帰還兵のために行われたベネフィット・コンサート・ツアーのために再結成されたドゥービーズにも参加し、これをきっかけとして、ジョンストン、シモンズらオリジナル・メンバーを中心とした本格的な再結成へと繋がっていきました。
ドゥービー・ブラザーズ再結成後は、初期と同様バンドの中心人物として活躍し、
1989年にシングル・ヒットした「ザ・ドクター」をはじめ、多くの楽曲を提供し、全盛期と変わらないボーカル、
ギタープレイを披露しています。
ディスコグラフィ
ドゥービー・ブラザーズ・ファースト (1971)
トゥールーズ・ストリート (1972)
キャプテン・アンド・ミー (1973)
ドゥービー天国 (1974)
スタンピード (1975)
ドゥービー・ストリート (1976)
ベスト・オブ・ドゥービーズ (1976)
運命の掟 (1977)
ドゥービー・ブラザーズ・フェアウェル・ツアー~ライブ (1983)
サイクルズ (1989)
ブラザーフッド (1991)
ロッキン・ダウン・ザ・ハイウェイ~ザ・ワイルドライフ・コンサート (1996)
シブリング・ライヴァルリー (2000)
On Our Way Up (2001)
Divided Highway (2003)
Live at Wolf Trap (2004)
ワールド・ゴーン・クレイジー (2010)
サウスバウンド (2014)
ソロ
Everything You've Heard Is True (1979)
Still Feels Good (1981)
外部リンク
*
doobiebros.com