トヨタ・クラウンエステート

トヨタ クラウンエステート：ワゴンからSUVへ、その変遷と魅力

クラウンエステートは、トヨタ自動車が1999年から2007年まで生産したステーションワゴンと、2023年に発表されたSUVの2つの形態を持つ車です。それぞれのモデルが持つ特徴や歴史、そして未来について詳しく解説します。

初代クラウンエステート（S170W型、1999年-2007年）

初代クラウンエステートは、11代目クラウン（S170系）をベースにしたステーションワゴンとして登場しました。12年ぶりのクラウンワゴンのフルモデルチェンジであり、それまで継続生産されていたS130系からの刷新となりました。シートレイアウトは5人乗りに統一され、後方向き床下格納式シートやフロントベンチシート仕様は廃止されました。

駆動方式はFRまたは4WDで、エンジンは2.5Lと3.0Lの直列6気筒ガソリンエンジンを搭載。2.5Lには自然吸気とターボ仕様がありましたが、後にターボ仕様は廃止されました。グレードはロイヤルサルーンとアスリートの2種類がありましたが、2001年のマイナーチェンジでロイヤルサルーンは廃止されました。

2003年に12代目クラウンが登場した後も、エステートは11代目ベースのまま生産が継続され、2007年6月に販売を終了しました。これは、葬儀業者からの霊柩車としての需要や、病院からの寝台車としての需要があったためです。

初代クラウンエステートの主な出来事

1999年12月：発表・発売
2000年4月：一部変更。電動リアサンシェードの設定グレード拡大、本革シートの設定グレード拡大
2000年8月：一部変更。自然吸気車を低排出ガス車化、廉価グレード「アスリートE」を追加
2001年8月：マイナーチェンジ。グレードをアスリートのみに。アスリートEは2.0Lエンジンに変更
2002年8月：特別仕様車「プレミアム」を追加
2003年12月：一部改良。ヘッドランプとフロントグリルをチタン調化。クルーズコントロールを標準装備化。2.0Lと2.5Lターボを廃止
2005年12月：一部改良。フロントフェンダーにサイドターンシグナルランプを追加、ハイマウントストップランプにLEDを採用
2007年5月末：生産終了
2007年6月30日：販売終了

2代目クラウンエステート（AZSH3#W型、2025年-）

15年の時を経て、クラウンエステートは5ドアSUVとして生まれ変わりました。通常時570L、リアシート格納時1,470Lの荷室容量を確保し、リアシート格納時には長さ2mのフルフラットスペースが出現します。

また、リアシート格納時に長さ2mの完全フルフラットスペースを生み出すための「ラゲージルーム拡張ボード」がトヨタ車で初採用されました。デッキ後端には引き出し式のデッキチェア、脱着可能の折りたたみ式テーブルであるデッキテーブルが採用され、手前に引き出すタイプの巻取り式トノカバーも装備されます。

パワートレインは2.5LのA25A-FXS型エンジンを搭載し、ハイブリッドシステムまたはプラグインハイブリッドシステムが採用されます。駆動方式は四輪駆動のみで、電気式4WDシステム「E-Four」を採用。センターコンソール後部とラゲージルームにはアクセサリーコンセントが備わり、非常時給電システムも装備されます。

高度運転支援機能「トヨタ チームメイト」と予防安全システム「Toyota Safety Sense」も搭載され、安全性能も向上しています。

2代目クラウンエステートの主な出来事

2022年7月：ワールドプレミアにて公式発表
2023年4月：セダン、スポーツ、エステートの発売時期と写真を公開
2023年11月：アメリカでの発売を発表。名称は「クラウンシグニア」
* 2025年3月：「クラウン（エステート）」として日本で正式発表・発売

まとめ

クラウンエステートは、ステーションワゴンからSUVへと姿を変えましたが、その根底には常にユーザーのニーズに応えようとするトヨタの姿勢があります。ワゴンとしての実用性と、SUVとしての力強さを兼ね備えたクラウンエステートは、これからも多くの人々に愛されることでしょう。

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