トヨタ・クルーガー

トヨタ クルーガー：多岐にわたる進化を遂げたSUV

トヨタ クルーガーは、2000年に初代モデルが発売されたSUVです。日本では販売を終了しましたが、海外ではハイランダーの名称で進化を続けています。その歴史と特徴を詳しく見ていきましょう。

初代モデル（2000年 - 2007年）：ハリアーとの違い

初代クルーガーは、6代目カムリのプラットフォームをベースに開発されました。同時期に販売されていたハリアーが高級クロスオーバーSUVとして位置づけられていたのに対し、クルーガーはよりオーソドックスで保守的なスタイリングが特徴でした。クルーガーという名前はドイツ語で「賢い」という意味を持ちます。

日本国内では「クルーガーV」として販売が開始され、後にトヨタカローラ店向けに「クルーガーL」も登場しました。エンジンは2.4L直列4気筒と3.0L V6が用意され、駆動方式はFFまたは4WDでした。マイナーチェンジでは、3列シート7人乗り仕様が追加され、ファミリー層にも支持されました。海外向けには3.3L V6エンジン搭載モデルも存在しました。

2005年にはハイブリッドモデル「クルーガーハイブリッド」が登場。V6 3.3Lエンジンとモーターを組み合わせたハイパワーTHS IIを搭載し、高い燃費性能を実現しました。バッテリーを小型化し、シートアレンジを犠牲にしない設計も特徴でした。

しかし、日本国内での販売は2007年に終了し、後継としてヴァンガードが登場しました。ただし、ヴァンガードとはプラットフォームが異なるため、直接的な後継車ではありません。

2代目モデル（2007年 - 2013年）：海外市場での展開

2代目モデルからは、海外市場を中心に販売されました。オーストラリアでは引き続きクルーガーの名称が使われましたが、北米や中国ではハイランダーの名称で販売されました。エンジンはV型6気筒3.5Lが搭載され、ハイブリッドモデルも設定されました。中国では広汽豊田が現地生産を行い、「漢蘭達」という名前で販売されました。

3代目モデル（2013年 - 2019年）：より広い室内空間へ

3代目モデルでは、大型のフロントグリルが特徴的なダイナミックなデザインとなり、室内空間も拡大しました。これにより、8人乗り仕様も登場しました。パワートレインには2.7L直列4気筒と3.5L V6エンジンに加え、ハイブリッドモデルも用意されました。

2016年には、エクステリアデザインを大幅に変更したマイナーチェンジモデルが登場。USBポートの増設やスポーツグレード「SE」の追加も行われました。

4代目モデル（2019年 - ）：TNGAプラットフォーム採用

4代目モデルでは、TNGA「GA-K」プラットフォームが採用され、走行性能が大幅に向上しました。パワートレインには3.5L V6ガソリンエンジンと2.5L直4＋THSⅡが搭載され、駆動方式には「ダイナミックトルクベクタリングAWD」が採用されたモデルも存在します。スポーティグレードのXSEも追加され、幅広いニーズに対応しています。

5代目モデル（2023年 - ）：フルサイズSUVへ

5代目モデルは、車格がフルサイズへと変更され、グランドハイランダーとして販売されています。プラットフォームはレクサス・TXと共通のGA-Kを採用し、パワートレインには2.4Lターボガソリンエンジンと2.5Lハイブリッドが搭載されています。ハイブリッドマックスモデルは、0-96km/h加速6.3秒という優れた加速性能を誇ります。

クルーガーの主な特徴

• - 多様なラインナップ: ガソリン車、ハイブリッド車、そしてフルサイズSUVへと進化。
• - 高い安全性: 衝突安全性能評価で高い評価を獲得。
• - 広い室内空間: 3列シート7人乗り、8人乗り仕様も用意。
• - 先進的な技術: ハイブリッドシステム、TNGAプラットフォームなどを採用。

クルーガーの年表

• - 2000年：初代クルーガーV発売。
• - 2003年：マイナーチェンジで3列シート7人乗り仕様が追加。
• - 2005年：クルーガーハイブリッド発売。
• - 2007年：日本国内向け生産終了。
• - 2007年：2代目ハイランダー発表。
• - 2013年：3代目ハイランダー発表。
• - 2019年：4代目ハイランダー発表。
• - 2023年：5代目グランドハイランダー発表。

まとめ

トヨタ クルーガーは、時代とともに進化を遂げ、多様なニーズに応えてきたSUVです。日本国内では販売を終了しましたが、海外ではハイランダーとしてその血統を受け継ぎ、グランドハイランダーへと進化を続けています。その高い走行性能、安全性、そして快適性は、多くのユーザーに支持されています。

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