トヨタ・コロナEXiV

トヨタ コロナEXiV

コロナEXiV（コロナエクシヴ）は、トヨタ自動車が1990年代に製造・販売したスタイリッシュな4ドアハードトップ型乗用車です。そのユニークなデザインと先進的な機能により、多くのドライバーに愛されました。歴代モデルは、初代T18型（1989年 - 1993年）と2代目T20型（1993年 - 1998年）に分かれており、それぞれに特徴があります。

初代 T18型

初代モデルは1989年にデビューし、トヨタのセリカのプラットフォームを基に開発されました。流麗なスタイリングに加え、居住性よりもデザイン性を重視した全高の低いボディが特徴です。若年層向けの市場をターゲットにしており、コロナセダンやカリーナセダンとは異なる印象を持っています。

エンジンは1.8リットルと2.0リットルの2種類が用意され、特に注目すべきは世界初のデュアルモード4WS（四輪操縦）システムを搭載している点です。この機能により、駆動方式を前輪駆動に切り替えることが可能で、運転の楽しさを大いに引き立てました。

初代コロナEXiVは、1990年と1991年に部分的な改良が行われ、デザインと性能が向上しましたが、1993年の生産終了以降は在庫分のみの販売となりました。

2代目 T20型

続く2代目は1993年に登場し、ボディサイズの大型化に伴い3ナンバーサイズとして提供されました。初代の特徴を引き継ぎつつも、センターピラーを追加することで安全性を高めています。前期型ではオプションであったスーパーストラットサスペンションが後期型では標準装備となり、運転の安心感が向上しました。

また、全日本ツーリングカー選手権（JTCC）に参加し、スポーツ性もアピールしていましたが、時代の流れとともに大型車両への関心が高まり、徐々に人気が落ち着いていきました。1998年、ハードトップモデルの減少により販売終了となり、数年後には姉妹車のカリーナEDと共に姿を消しました。

車名の由来

「コロナ」という名前は、英語で皆既日食の際に見える光の環を意味しています。一方、「EXiV」の部分は「Extra Impressive」の略称であり、「際立って印象的な」という意味を持つ造語です。誤って「エクシブ」や「エキシブ」と表記されることもありますが、正しいカナ表記は「エクシヴ」です。

モータースポーツへの参加

コロナEXiVは、1994年にスタートした全日本ツーリングカー選手権（JTCC）において、1995年からトヨタ本社とトムスの共同開発により投入されました。選定理由は、コーナリングスピードの優れたワイドボディ設計が選ばれたためです。惜しくもドライバーズタイトルは獲得できなかったものの、1996年にはトムスがチームタイトルを獲得し、エクシヴは長らく活躍を続けました。さらに、マカオ・ギアレースにも参加し、関係者から高い評価を得ました。

コロナEXiVは、そのデザインと技術、さらにはモータースポーツでの活躍を通じて、トヨタの歴史の中で特別な位置にあるモデルといえるでしょう。

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