トヨタ・シエナ

トヨタ シエナ：北米で人気のミニバンの歴史と進化

トヨタ シエナは、北米市場を中心に販売されているミニバンです。そのルーツは1997年に遡り、以来、数世代にわたって進化を続けてきました。本記事では、シエナの各世代モデルの特徴や変遷について詳しく解説します。

初代 XL10型 (1997年 - 2003年):

1997年、シエナはプレビア（日本名エスティマ）の後継車種として北米市場に投入されました。カムリとプラットフォームを共有し、「ミニバンのカムリ」とも呼ばれました。エンジンはV型6気筒を搭載し、当初は競合車種よりも小型でしたが、安全性と動力性能の改善が図られました。

2000年にはマイナーチェンジを実施し、フロントグリルやバンパーのデザインを変更。エンジンには可変バルブタイミング機構VVT-iが搭載され、性能が向上しました。初代シエナは、当時としては珍しい安全装備をオプション設定するなど、安全性能の面でも注目を集めました。

2代目 XL20型 (2003年 - 2010年):

2003年、デトロイトモーターショーで2代目が発表されました。ボディサイズが大型化され、室内空間が拡大。エンジンは3.3L V型6気筒を搭載し、5速ATと組み合わされました。シフトレバーはコラムからセンターコンソールへ移動し、使い勝手が向上しました。

グレードはCE、LE、XLE、リミテッドが用意され、上級グレードには全輪駆動モデルも設定されました。全輪駆動モデルにはランフラットタイヤが採用され、悪路走破性を高めています。2006年にはフロントマスクのデザインが変更され、安全装備も充実しました。

2007年にはエンジンが3.5L V型6気筒に変更され、出力が向上。2008年にはビークルスタビリティコントロールが全グレードに標準装備されました。

3代目 XL30型 (2010年 - 2020年):

2010年、3代目が米国市場で発売されました。米国道路安全保険協会から「トップセーフティピック」を受賞するなど、高い安全性が評価されました。エンジンは3.5L V6と2.7L直4の2種類が用意され、それぞれに2WDとAWDが設定されました。

3代目は、全長5,085mm、全幅1,986mmとさらに大型化され、室内空間の広さが向上しました。韓国や台湾でも販売されましたが、台湾ではアルファードと併売されています。2018年にはマイナーチェンジが実施され、外観が変更されました。

4代目 XL40型 (2021年 - ):

2020年、4代目が発表されました。エンジンは2.5L直列4気筒ハイブリッドのみとなり、2WDとAWDが選択可能です。ハイブリッドシステムは243HPを発生し、燃費性能も向上しました。2列目シートには「スーパーロング・スライド」機構が採用され、居住性が向上しています。

プラットフォームはTNGA-Kプラットフォームを採用し、走行性能も進化しました。中国市場では、広汽トヨタ自動車が製造・販売するシエナに加え、一汽トヨタ自動車製のモデルには新たに「グランビア」の名が使用される事となりました。

まとめ

トヨタ シエナは、北米市場を中心に長年にわたり人気を集めてきたミニバンです。各世代ごとに進化を続け、安全性、快適性、走行性能を高めてきました。最新モデルではハイブリッド技術を採用し、環境性能も向上しています。シエナは、ファミリー層にとって魅力的な選択肢の一つと言えるでしょう。

もう一度検索