トヨタ・マークIIクオリス

マークIIクオリス：ステーションワゴンの新たな潮流

マークIIクオリスは、1997年4月にトヨタ自動車から登場したステーションワゴンです。それまでのマークIIワゴンのイメージを一新し、新たな顧客層を開拓しました。

概要

マークIIの名を冠していますが、セダンとは異なり、ウィンダムをベースとした前輪駆動車です。カムリグラシアとは姉妹車の関係にあります。エンジンは、直列4気筒2.2L、V型6気筒2.5L、そしてウィンダムにも搭載されていたV型6気筒3Lの3種類。2.2Lと2.5Lには四輪駆動モデルも設定されました。

グレード構成はシンプルで、モノグレードにパッケージオプションを追加する方式。しかし、基本装備は充実しており、前席エアバッグやABSは全グレードで標準装備。オプションでサイドエアバッグ、プライバシーガラス、スカイフックTEMSなどが選択可能でした。3Lモデルには、サンルーフ、TRC、CDナビゲーション付きマルチAV、スカイフックTEMSなどが標準装備されていました。

歴史

1997年4月、X70型マークIIワゴンの後継として販売開始。カムリグラシアの姉妹車でありながら、マークIIセダンの特徴的なフロントフェイスを受け継いでいます。FF化により、Lクラスワゴンとして最大級の室内空間を実現しましたが、上部の絞り込みが強く、実用性においては賛否が分かれました。

エクステリアデザインは、同時期のライバル車と比較してもスタイリッシュかつシンプル。前輪駆動化（後に4WDを追加）により、従来のマークIIワゴンが苦手としていた降雪地や寒冷地のユーザーを獲得することに成功しました。CMキャッチコピーは「ALL DAYS WAGON」。シカゴの「Hard to Say I'm Sorry」をCMソングに起用し、スタイリッシュな演出が話題となりました。

主な出来事

1997年6月：4WD仕様を追加。
1997年10月：特別仕様車「Xパッケージ」を設定。
1998年8月：マークIIのマイナーチェンジに合わせて一部変更。
1998年10月：特別仕様車「フルカラーJパッケージ」、「Xパッケージ」を設定。
1999年8月：マイナーチェンジを実施。前後デザインの一部変更、スポーティ仕様「ツアラーエディション」を追加。3LエンジンのVVT-i化、2.5LエンジンへのECT-iE拡大など、機能面も強化。
2000年8月：一部グレードで平成12年基準排出ガス25%低減を達成（G-LEV）。
2001年12月：生産終了。
2002年1月：マークIIブリットの発売に伴い販売終了。累計販売台数は8万7940台。

販売

トヨペット店（大阪地区を除く）およびトヨタ店（東京・大阪地区のみ）で販売されていました。

マークIIクオリスは、従来のマークIIのイメージを覆し、新しい価値観を提供したステーションワゴンでした。しかし、販売期間は短く、後継車であるマークIIブリットにバトンを渡すこととなりました。

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