トヨタ・マークXジオ

トヨタ マークXジオ：多才なステーションワゴンの軌跡

マークXジオは、トヨタ自動車が2007年から2013年まで製造・販売していたステーションワゴンです。2005年の東京モーターショーで発表されたコンセプトカー「FSC（フレキシブル・サルーン・コンセプト）」を具現化したモデルで、マークIIブリットの後継車として登場しました。

概要

マークXジオは、ミニバンとセダンの間に位置する新しいコンセプトの車として開発されました。当初はトヨタの公式サイトでも「新コンセプト」として扱われていましたが、マイナーチェンジ後には「グランドステーションワゴン」と表現され、ステーションワゴンとしての位置づけが明確になりました。ただし、開発当初はサルーンとしての性格が強く、セダンに近い存在とされていました。

車名に「マークX」を冠していますが、FRレイアウトのマークXセダンとは異なり、FFレイアウトを採用しています。プラットフォームも専用設計で、フロント部分にブレイドやオーリスのデザインを一部流用しているものの、車名以外にマークXとの共通点はありません。2WD車は全高が1,550mmに抑えられているため、タワーパーキングへの入庫が可能です。

コンセプト

「4＋Free」というコンセプトを掲げ、独立した4つのシートと、セダンモード、ワゴンモード、ミニバンモードの3つのシートアレンジを可能にしました。基本は独立4座ですが、3列目シートはあくまで補助的な位置づけです。3列目を使用しない場合は、トノカバーで覆い隠すことができます。

駆動方式はFFと4WDが用意されていますが、ブレイドと同様に3.5L車には4WDの設定はありません。

販売と市場の反応

発売当初は好調な売れ行きを見せましたが、その後は販売台数が低迷しました。スタイリングに対する好みの分かれやすさや、3列目シートの居住性の問題、そして市場全体の縮小傾向が影響したと考えられます。

モデルの変遷

2008年8月: 特別仕様車「ブラックパールリミテッド」を発売。内外装にブラックパール調の加飾を施し、装備を充実させました。また、「240G」に7人乗り仕様を追加。
2009年2月: スポーティグレード「AERIAL（エアリアル）」を追加。専用エアロパーツやブラックシートを採用し、個性を強調しました。既存グレードも一部改良。
2009年12月: 一部改良。2.4L・4WD車の燃費を向上させ、エコカー減税に対応。特別仕様車「240"E-Selection"」と「エアリアル"V-Selection"」を発売。
2010年7月: 5人乗り仕様「240"Five Style"」を追加。3列目シートを廃止し、ラゲッジスペースを拡大。2.4L・2WD車の燃費を向上させ、エコカー減税の減税額がアップ。
* 2011年2月: マイナーチェンジ。内外装のデザインを変更し、質感を向上。「エアリアル」に装備を見直した「エアリアル"Fパッケージ"」を追加。5人乗り仕様と「240G」の価格を引き下げ。

生産終了

2013年12月、マークXジオは生産・販売を終了しました。同時に公式サイトも閉鎖されています。

名前と販売

車名の由来は、英語の「Zone in One（一台で様々な空間を持つ）」からの造語です。販売はトヨペット店で行われていました（東京地区は東京トヨタでも併売）。

マークXジオは、独自のコンセプトと多才なシートアレンジを持つステーションワゴンでしたが、市場の変化に対応しきれず、短命に終わりました。しかし、その個性的なスタイルは、今でも一部のファンに支持されています。

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