トヨタ・ヤリスクロス

トヨタ ヤリス クロス (XP210型: 2020年-)

ヤリス クロスは、トヨタ自動車が生産・販売するBセグメントに属するコンパクトクロスオーバーSUVです。2020年2月に発売されたヤリスに続き、トヨタのGA-Bプラットフォームを採用した第二弾車種として登場しました。

開発はデザイン、設計ともにトヨタ自動車のヨーロッパ拠点が担当しました。ドライバーズカーとしての性格が強いヤリスに対し、ヤリス クロスは居住性や荷室空間といったSUVらしいユーティリティ性能を重視して開発されました。ボディサイズはヤリスと比較して全長が240mm、全幅が20mm、全高が90mm拡大され、広い室内スペースを確保しています。

パワートレインは、1.5リッター直3エンジンに発進用ギア付きCVT (Direct Shift-CVT) を組み合わせたものと、そのエンジンをベースとしたTHS（Toyota Hybrid System）の2種類があります。駆動方式はそれぞれに前輪駆動と四輪駆動がラインナップされています。

リアサスペンションは、ヤリスと同様に前輪駆動モデルはトーションビーム式、四輪駆動モデルはリアデフを車体側にマウントしたダブルウィッシュボーン式が採用されています。

ガソリン仕様の四輪駆動システムは、通常は前輪駆動で、発進時や低摩擦係数路面で後輪に駆動を配分する『ダイナミックトルクコントロール4WD』に、マッド＆サンド、ノーマル、ロック＆ダートの3つの走行モードを選択できる『マルチテレインセレクト』を組み合わせています。ハイブリッド仕様の四駆も同様に、電気式4WDの『E-Four』（欧州名『AWD-i』）に、スノー、ノーマル、トレイルの3つのモードを選べる『TRAILモード』を同時採用しています。またガソリン車、ハイブリッド車いずれも滑りやすい路面での降坂時に車速を一定に保つ『ダウンヒルアシストコントロール』を備えています。

当初、日本への導入予定はありませんでしたが、当時の社長であった豊田章男氏の「なぜ発売しないの？」という一言がきっかけで日本市場への導入が決定したという経緯があります。

年表

2020年4月23日：世界初公開。
2020年8月12日：日本での発売を9月初旬と発表。
2020年8月31日：日本で公式発表・発売。キャッチフレーズは「気になったら、全部やる。」
2022年7月19日：一部改良を発表。
ドライブレコーダー付自動防眩ミラーを全車にオプション設定。
「Z」・「HYBRID Z」の内装色にブラックを追加。
グレード体系に「GR SPORT」と「Z"Adventure"」を追加。
2024年1月17日：ヤリスと共に一部改良。
「GR SPORT」を除くグレードでアッパーグリルのデザインパターンを変更。
「X」を除くグレードでフロントアームレストをコンソールボックス付のソフトタイプに変更。
メーター部が7.0インチTFTカラーマルチインフォメーションディスプレイに。
全車にディスプレイオーディオを採用。
「Toyota Safety Sense」を最新化。
サブスクリプションサービス「KINTO Unlimited」専用グレード「U」を新設。
2024年6月3日：国土交通省がヤリスクロスの「型式指定」を巡る不正行為を発表、出荷停止を指示。
2024年6月5日：トヨタ自動車が認証不正に伴い生産停止を発表。
2024年9月2日: 生産再開。
2025年2月27日：ヤリスとともに一部改良、特別仕様車「Z"URBANO（ウルバーノ）"」を発売。

AC200型 (2023年-)

2023年5月15日、インドネシアで公開。ダイハツのDNGA-Bプラットフォームが採用された小型SUVです。日本や欧州で展開されているXP210型とは全く異なるモデルです。

全長4,310 mm、全幅1,770 mm、全長1,615 mm、ホイールベース2,620 mmとXP210型に比べてホイールベースが60 mm、全長が130 mm長くなっています。1.5リッターデュアルVVT-i4気筒エンジンのガソリン車とハイブリッド車が用意され、先進安全機能としてダイハツのスマートアシストが搭載されています。

2023年8月には中華民国（台湾）向けにもこちらのタイプが投入されました。

その他

2019年11月、タイ市場でXP150型ヤリスの追加モデルとして『ヤリスクロス』が登場しましたが、これは独立した車種ではなく、SUV風の架装をしたパッケージオプションとなります。

車名の由来

「Yaris」：ギリシャの神々の名前の語尾によく使われる「is」と、開放的でダイナミックな発音である「Ya」を組み合わせた造語です。
「Cross」：クロスオーバー(Crossover)に由来し、ヤリスの血を引くクロスオーバーという意味が込められています。

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