トヨタ・3S-GE

トヨタ・3S-GEエンジン

トヨタが製造した3S-GEは、ヤマハ発動機によるシリンダーヘッドを持つ直列4気筒ガソリンエンジンです。このエンジンはトヨタのS型エンジン（2代目）を基にして開発されており、1984年に初めて2代目カムリや姉妹車の初代ビスタに搭載されました。当初はレギュラーガソリンを指定していましたが、性能向上に伴い、後にはプレミアムガソリンが推奨されるようになりました。

構造と性能

3S-GEエンジンは、2S-E型エンジンを基にしており、シリンダーのサイズを変更し、高出力に特化したデザインとなっています。特に1980年代から2000年代中盤まで、トヨタの多くのスポーツ仕様の中型車に広く使用され、強力なエンジン性能を発揮しました。しかし、2007年には低排出ガス車規制に適応できなかったため、製造が終了しました。

当初は自然吸気エンジンのみでしたが、1980年代後半にはターボチャージャーを追加した3S-GTEも登場。特筆すべきは、1994年に行われたエキゾーストマニホールドの改良で、排気の流れを最適化しました。また、同年4月にはシリンダーヘッドの製造方法が進化し、冷却性能が向上しました。この技術は自動車技術会賞を受賞するなど、高く評価されています。

モータースポーツにおける活躍

3S-GEエンジンの強度と高出力性能から、ラリー、ヒルクライム、プロトタイプレースなどで多くの成功を収めました。特に、セリカやカローラといったモデルは世界ラリー選手権で数多くのタイトルを獲得しました。さらに、パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムでは、ロッド・ミレンが搭乗したマシンが13年間もの間、レコードを保持しました。

プロトタイプレースでは、ル・マン24時間耐久レースにも参加し、そのパフォーマンスを証明しました。GTカーレースでも、スープラに搭載されて成功を収めました。特に1997年から2002年にかけては、3S-GTEエンジンの改良版を使用し、複数のタイトルを獲得しました。また、F3選手権では長年にわたり競技用として採用され、多くのタイトルを支えました。

技術的進化の歴史

1997年には可変バルブタイミング機構（VVT-i）が導入され、さらに2000年には排気側にもVVT-iが追加され、出力が大幅に向上しました。これにより、「Beams」ブランドが確立され、210馬力を誇りました。一方で、3S-GEの派生版である3S-FEは実用エンジンとしても利用され、トヨタの中型車に広く搭載されることとなります。

結論

トヨタ・3S-GEは高出力と優れた耐久性を兼ね備えたエンジンとして、多くのスポーツカーやモータースポーツで活躍しました。その性能や技術の進化は、トヨタのエンジン技術の進化の象徴とも言えるでしょう。

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