トヨタ・C型エンジン (2代目)

トヨタ・C型エンジン

トヨタ・C型エンジンは、トヨタ自動車がかつて製造していた水冷直列4気筒のディーゼルエンジン系列です。このエンジンは、日本初の乗用車用ディーゼルエンジンとして1959年に登場しました。

背景と開発

C型エンジンは、1,500ccクラスのR型ガソリンエンジンのシリンダーブロックをそのまま流用し、渦流室式の燃焼室を採用した試験的なモデルでした。1959年10月に初代トヨペット・クラウンに搭載される形で、世に登場しました。当初、このエンジンは自動車業界に革新をもたらすことが期待されましたが、いくつかの課題に直面しました。

性能と課題

C型エンジンは、R型ガソリンエンジンをベースにしているため、構造上剛性が不足しているという大きな問題がありました。このため、高い出力を確保することが困難であり、最高出力はわずか40馬力（30kW）に留まりました。また、最大トルクも83Nm（8.5kgf-m）で、2,400rpmでの発揮となっていました。

このような制約から、当時の自動車用ディーゼルエンジンとしては心もとない性能だとされ、期待されたほどの成果は得られませんでした。技術的な失敗は、その後に開発されたJ型ディーゼルエンジンに活かされることとなります。

生産と搭載車

C型エンジンの生産期間は、1959年9月から1961年3月までの約一年半にわたりました。このエンジンが搭載された主な車両は、初代トヨペット・クラウンのディーゼル版（型式CS20/CS21）です。

系譜と影響

C型ディーゼルエンジンは、トヨタのエンジン開発の中で重要な位置を占めています。可動部品における剛性不足の問題から、トヨタは後にJ型ディーゼルエンジンの設計においてこれらの教訓を反映させ、より優れた性能を持つエンジンを開発することに成功しました。結果として、C型エンジンは短命であったものの、トヨタのディーゼルエンジン技術の進化に寄与したと言えるでしょう。

エンジン仕様

C型エンジンの基本仕様は以下の通りです：

• - 型式: C
• - 種類: 直列4気筒OHV 8バルブ 過流室式
• - 排気量: 1,491cc
• - 内径×行程: 78.0×78.0
• - 圧縮比: 19.0
• - 最高出力: 30kW(40PS)/4,000rpm
• - 最大トルク: 83Nm(8.5kgf-m)/2,400rpm

C型エンジンは技術開発の一環として興味深い意味を持っていますが、実際の運用における課題を克服することは容易ではありませんでした。今後のトヨタのエンジン開発において、C型エンジンは貴重な教訓を提供したことでしょう。

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