トヨタ・MIRAI

トヨタ MIRAI（ミライ）

MIRAI（ミライ）はトヨタ自動車が製造・販売する高級セダン型燃料電池自動車であり、量産車として世界初のモデルです。その名は日本語の「未来」に由来し、清潔なエネルギーと持続可能な移動手段を象徴しています。

トヨタフューエルセルシステム（TFCS）

MIRAIはトヨタ独自の燃料電池技術とハイブリッド技術を統合したトヨタフューエルセルシステム（TFCS）を搭載しています。このシステムでは、トヨタFCスタックと、高圧水素タンクが併せて使われています。水素の充填は約3分で完了し、1回の充填で650kmの走行が可能です（JC08モード）。

高圧水素タンクは、水素脆化のリスクを回避するため、炭素繊維や樹脂の3層構造からなるタンクが2つ搭載されています。これらのタンクは高圧ガス保安法に基づき、製造日から一定期間ごとに点検と交換が求められます。点検で異常が発見された場合、タンクの交換が必要となるため、しっかりとしたメンテナンスが重要です。初代MIRAIの場合、タンク1個あたりの交換費用は約50万円です。

初代MIRAI（2014年 - 2020年）

初代MIRAIは2014年に登場し、車両重量は1,850kg、定員は4人で設計されています。最高速度は175km/hに達し、4km走行あたり排出される水量は240mlという環境に優しい性能を持っています。また、MIRAIは先進安全装備を多数搭載しており、特にプリクラッシュセーフティやレーンディパーチャーアラートなどが進化した印象を与えました。

デザインと販売

MIRAIの外観では、リアにマフラーが見当たらず、すべての電球にLEDを採用しています。日本での初期価格は723万6,000円（消費税込）で、発売から1年で400台の販売目標を掲げていました。トヨタモビリティ東京をはじめとした様々な販売店が取り扱っています。

年表

MIRAIの歴史は2013年の東京モーターショーでの発表から始まります。2014年にはモデル名が「MIRAI」として決定され、同年12月には正式に発売されました。以降、2015年には目標を大きく上回る1,500台の受注を獲得し、生産も増産されることが決まりました。2018年に行われた改善も評判を呼び、最新の安全装備が追加されました。

2代目（2020年 - ）

2020年にはフルモデルチェンジが行われ、燃料電池の効率が大幅に向上しました。特に新たなSiC半導体の採用とリチウムイオン二次電池の使用により、飛躍的に航続距離が伸び、最長850kmの走行が可能になりました。さらに乗車定員が4人から5人に増え、内装の質感も高まっています。

特徴と評価

MIRAIはCO2を排出しないクリーンな移動手段として環境への配慮を持っています。車両設計は、運転支援システムや外部給電システムなど、現代のニーズに応える技術で充実しています。これにより、災害時の非常電源としても機能することが期待されています。

MIRAIは日本国内外で高い評価を得ており、未来の自動車の形を示す重要なプロジェクトとしての位置づけを持っています。

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