トヨタ・SAI

SAI（サイ）

概要

SAIは、トヨタ自動車が開発し製造した、ハイブリッドに特化したセダンタイプの自動車です。2009年に発売されたこのモデルは、トヨタブランドではプリウス以来12年ぶりのハイブリッド専用車として登場しました。プリウスの上級モデルとして位置づけられ、レクサスブランドのハイブリッドカーであるHS250hとの姉妹車とされています。なお、この車両は日本国内専用モデルです。

開発の際、チーフエンジニアはトヨタの過去のセダンの理念を意識し、「高級ながら小型」というコンセプトからスタートしました。当初はハイブリッド車に特化する予定ではありませんでしたが、次第にその方向にシフトしました。月間販売目標は3,000台として設定され、その役割はクラウンハイブリッドとプリウスの中間に位置づけられました。

メカニズム

SAIは、プリウスやHSと共通する新しいMCプラットフォームを使用しており、基本的なハイブリッドシステムはプリウスと同様のTHS IIです。しかし、搭載されるエンジンはプリウスの1.8リッターではなく、より大きな2.4リッターのエンジンを搭載しています。これにより、ハイパワーながらも低燃費を実現し、燃費基準を大きく上回る性能を持っています。

デザイン

エクステリア

SAIのエクステリアデザインは、他のハイブリッドモデルとは異なり、保守的な4ドアノッチバックセダンスタイルを採用しています。全体的な形状はHSと類似していますが、サイズはコンパクトにまとめられており、空力性能も優れた数値を誇ります。また、他のトヨタ車同様、LEDヘッドランプを搭載しており、冷静に洗練された印象を与えています。

インテリア

インテリアのデザインもHSに影響を受けていますが、部品ごとに独自のデザインが施されています。また、SAIでは環境への配慮がなされ、約60%の部材に植物由来のプラスチックが使用されています。特にトヨタはこの材料の使用を増やすことで、持続可能な製造を目指しています。

グレード構成

SAIのラインナップは、ベースグレードの「S」と上級グレードの「G」で構成されています。各グレードには、より多くの装備や技術が追加されたバリエーションが用意されています。エアコンやアルミホイール、革巻きハンドルなどの装備が揃っており、バリエーション豊かな選択肢が提供されています。

販売と市場の動向

先進的なハイブリッド技術と、環境問題を意識したデザインが評価され、特に東京などの大都市圏ではタクシーの需要が高かったことも特徴的です。さらに、重要な公用車両としても採用され、多方面での活躍が期待されるモデルとなっています。

車名の由来

SAIという名前は、「才能（才）」と「彩り（彩）」の漢字を組み合わせたもので、環境性能や安全性を持ちつつ、スタイリッシュな印象を与えるデザインを意味しています。開発コードがそのまま車名として採用された形です。

販売店

プリウス同様、トヨタの全販売店で取り扱われ、ネッツ店でセダンが再度取り扱われることとなりました。特に、このモデルは法人需要が多いため、ビジネスシーンでの活躍にも適した製品となっています。

結論

SAIは、トヨタのハイブリッド技術とデザイン哲学が結実した一台であり、環境性能を重視しつつ、多様なニーズに応えるモデルとしての地位を確立しています。

もう一度検索