トヨタ工業学園

トヨタ工業学園は、愛知県豊田市に位置するトヨタ自動車が運営する私立の職業能力開発校です。学校教育法ではなく、職業能力開発促進法に基づいて設立された、認定職業訓練施設です。

歴史

その起源は1938年（昭和13年）に設立された豊田工科青年学校に遡ります。その後、トヨタ技能者養成所、トヨタ工業高等学園と名称を変更し、1996年にトヨタ工業技術学園、そして2002年に現在のトヨタ工業学園となりました。

教育の特徴

トヨタ工業学園は高等部と専門部から構成されています。専門知識や技能教育はもちろんのこと、社会人としての良識ある活動意欲や、強靭な体力形成にも力を入れています。グローバル化に対応するための英語教育にも注力し、国際的な視野を持つ人材育成を目指しています。

また、非常に厳しい規律訓練も特徴の一つです。軍隊のような行進練習も行われ、規則正しい生活習慣と精神力を養います。クラブ活動も盛んで、特にソフトボール部は「科技高豊田」として全国レベルで活躍しています。

卒業生は優秀な技術者として、国内外で高い評価を受けています。海外勤務の機会も多く、グローバルな舞台で活躍する卒業生を多数輩出しています。

高等部

高等部に入学すると、同時に科学技術学園高等学校の通信制課程にも入学し、技能連携制度を利用して学習します。1年次は座学を中心に行い、2年次からは実習や職場実習が中心となります。在学中に、危険物取扱者やガス溶接など、様々な国家資格を取得可能です。全学園生が登山や遠泳といった訓練行事に参加し、冬には20キロマラソンも行われます。2年次には海外研修の機会もあり、カナダやインドなどへの派遣があります。

クラブ活動

トヨタ工業学園では、以下のクラブ活動が活発に行われています。

• - 硬式野球部
• - ラグビー部（休部）
• - サッカー部
• - ソフトボール部
• - 陸上長距離部
• - バスケットボール部
• - バレーボール部
• - 吹奏楽部
• - 剣道部
• - モノづくり（技能五輪）

進路

卒業後は、ほとんどの学生がトヨタ自動車に採用され、主に生産部門に配属されます。また、卒業後1年間の実務経験と配属職場の推薦、社内選抜試験に合格することで、豊田工業大学への進学も可能です。在学中は奨学金が支給されます。

専門部

専門部では、高等学校を卒業した人が1年間、企業内教育を受けます。卒業後はトヨタ自動車に採用され、保全部門などに配属されます。

主な卒業生

トヨタ工業学園は、各界で活躍する多くの卒業生を輩出しています。

• - 河合満（トヨタ自動車副社長、日本経営協会副会長、日本プラントメンテナンス協会会長）
• - 田口守（トヨタ自動車専務役員）
• - 田口一男（日本社会党所属の衆議院議員）
• - 渡辺武三（民社党所属の衆議院議員）

アクセス

名鉄豊田線三好ヶ丘駅から徒歩約7分でアクセス可能です。

総括

トヨタ工業学園は、トヨタ自動車の未来を担う人材を育成する重要な役割を担っています。専門知識と技能だけでなく、社会人としての良識、グローバルな視野、そして強靭な精神力を兼ね備えた人材を育成することで、日本の産業界に貢献しています。

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