トラスタマラ家

トラスタマラ家の歴史

トラスタマラ家（スペイン語：Casa de Trastámara）は、イベリア半島を起源とし、カスティーリャ王国、アラゴン王国、ナバラ王国、さらには南イタリアのシチリア王国とナポリ王国を支配した王家であり、14世紀から16世紀にかけて重要な政治的影響を持っていました。この王家は、スペインの歴史における重要な転機となる時期に大きな役割を果たしました。

家族の起源

トラスタマラという家名は、始祖であるカスティーリャ王エンリケ2世に由来します。彼は1333年に生まれ、父はカスティーリャ王アルフォンソ11世の庶子でした。エンリケ2世は、1369年に第一次カスティーリャ継承戦争で異母弟ペドロ1世を打ち破り、カスティーリャ王位に就きました。彼の治世から、王位はフアン1世、エンリケ3世へと継承され、トラスタマラ家の影響力は確固たるものとなりました。

アラゴンとナバラの支配

エンリケ3世の弟フェルナンド1世は、1412年にアラゴン王に選出され、シチリア王位も受け継ぎました。さらにその子であるアルフォンソ5世は、1442年にナポリ王国を獲得しました。アルフォンソ5世には嫡子がなかったため、アラゴンとシチリアの王位は弟のフアン2世が継承しましたが、ナポリの王位は庶子フェルディナンド1世が引き継ぎました。

また、フアン2世は1425年にナバラ王位を継承し、彼の政権からナバラ王国もトラスタマラ家の支配下に入りました。しかし、末娘レオノールの死後、ナバラ王位は一時的にトラスタマラ家から離れることとなります。

カトリック両王と統合

イベリア半島における統一は、カトリック両王と称されるイサベル1世とフェルナンド2世の結婚によって進みました。二人の結婚により、カスティーリャ、アラゴン、ナバラの地は連携を強め、最終的にはグラナダ王国の征服をも含む大規模な統合へと繋がりました。これにより、現代のスペイン王国が成立する素地が築かれました。

一方で、南イタリアはフェルナンド2世の治世のもと、長期間にわたって一つの君主の下で統治されることになりました。これらの地域は、後にハプスブルク家のカルロス1世に受け継がれ、スペイン・ハプスブルク朝が成立するに至ります。

まとめ

トラスタマラ家は、イベリア半島や南イタリアの発展に大きく寄与した王家であり、その歴史は多くの王位継承のドラマや国際的な統合に彩られています。彼らの影響力は、今日のスペインの文化や政治にも深く根付いており、歴史的には重要な役割を果たしました。

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