トラック野郎・度胸一番星

映画『トラック野郎・度胸一番星』の概要

『トラック野郎・度胸一番星』は、1977年8月6日に公開された日本映画で、主演は菅原文太が務め、東映が製作・配給を行いました。本作は「トラック野郎」シリーズの第5作目にあたります。映画は公開後、配給収入が10億9600万円に達し、1977年の邦画配給収入ランキングで第5位を獲得しました。この作品は、シリーズの中で唯一、主人公と恋の相手が相思相愛になるストーリーが描かれています。主なキャストには、愛川欽也や片平なぎさ、夏樹陽子などが名を連ねています。

ストーリーの概要

物語は山形県で始まり、国道沿いで速度違反のトラックドライバーが警官によって厳しく叱責されているシーンから展開されます。トラック野郎の桃次郎（一番星号）とジョナサン号は、安全運転を呼びかけながら通り過ぎますが、追跡していた婦人警官のタケ子にからかわれ、醜態を晒すことになります。このシーンは、友情とユーモアが交錯する冒頭のエピソードとして、後のストーリーの展開へと繋がっていきます。

続いての舞台は新潟県に移り、桃次郎が深夜の雨の中、水子地蔵の近くで白い衣装を纏った美しい女性と出会います。彼女は「佐渡で待つ」と告げた後、霧の中へ消えるという神秘的な存在です。桃次郎は一目惚れし、新たな恋の予感に胸を躍らせます。

また、ジョナサンは自動販売機の前で出会った美しい女性、江波マヤに夢中になります。彼女はドライブイン「越後獅子」で働いていることが判明し、ジョナサンは彼女にアプローチを試みます。

ジョーズ軍団との対立

後日、ドライブインにはタンクローリーの運転手である「ジョーズ」こと新村譲治が現れ、仲間たちと共に「ジョーズ軍団」を率いて登場します。彼らは無線の通信チャンネルを占有すると布告し、周囲の運転手たちと衝突が発生します。桃次郎はどうにかこの騒乱を納めようと試みますが、状況は次第に悪化し、ジョナサンはマヤに想いを伝えられずにいたのです。

桃次郎とジョナサンはフェリーで佐渡島に向かい、そこで桃次郎は前に見た女性、乙羽水名子と再会します。水名子が教師をしていることを知り、彼は彼女の分教場に押しかけますが、学力不足を指摘されてしまいます。彼女の過去が捨て子であり、金の採掘をしていた作右ヱ門に育てられたことが明かされ、物語はさらに複雑化していきます。

運命の再会と葛藤

桃次郎は誤解から水名子と若い医師との結婚を思い込み、失恋の痛手を抱えながら佐渡を後にします。しかし、偶然にジョーズ軍団と遭遇し、ワッパ勝負をすることになりましたが、彼の心は水名子に向いており、勝負に敗北してしまいます。復讐を決意した桃次郎は、ジョーズの過去を知り、彼がかつて故郷から追い出されたという事実に胸を痛めます。

最終的に，桃次郎はジョーズとの壮絶な対決を経て勝利を収めますが、物語は悲劇的な展開を迎えます。台風によって水名子が亡くなったとの知らせが届き、彼は大きなショックを受けます。さらに、ジョナサンが逮捕されたことを知った桃次郎は、彼の代わりにブリを運ぶ使命を果たすために、一番星号を走らせます。多くの仲間たちと共に困難を乗り越え、彼は任務を全うします。

まとめ

『トラック野郎・度胸一番星』は、男たちの絆や友情、そして恋愛の葛藤を描いた魅力的な作品です。冒険やドラマ、ユーモア満載で、観る者に感動を与えるストーリーが展開されます。この映画は、ただのアクション映画ではなく、深い人間ドラマが詰まった作品として、多くのファンに愛され続けています。

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