トランスコード

トランスコードとは

トランスコードとは、デジタル映像をデコードせずに、デジタル信号のまま再エンコードする技術です。具体的には、例えばビットレート15Mbpsのデジタル映像を、デコード・再エンコードをせずに8Mbpsにするといった作業が該当します。この処理を行う装置やソフトウェアをトランスコーダと呼びます。

トランスコードの基本的な考え方

トランスコードは、主に動画データの変換前後の圧縮コーデックが同じ場合に、データのサイズを小さくすることを目的としています。この際、解像度を下げたり、フレーム間予測情報を用いることで、少ない演算で不可逆圧縮を行います。

広義のトランスコード

狭義のトランスコードは、同種の動画圧縮技術内でのビットレートや解像度の縮小を指します。しかし、広義には、元のデジタル動画データを一旦デコードして圧縮を解除した後、別の動画圧縮コーデックや解像度、ビットレートに変換する作業も含まれます。この場合、高速変換や画質劣化の抑制は難しくなります。

トランスコードの現状

近年、PCのGPUチップやドライバソフトにトランスコード支援機能が搭載されています。これにより、より高速で効率的な処理が可能になりました。また、地上デジタル放送やBlu-ray DiscといったHDTVの普及に伴い、録画容量の最適化や携帯端末へのダビング需要が高まり、トランスコードの利用が広がっています。

さらに、DLNAサーバーでは、動画や音楽コンテンツを多様なクライアントで再生できるよう、コンテンツをクライアントが対応可能な形式にトランスコードして配信しています。これにより、異なるデバイス間でのコンテンツ共有が容易になりました。

トランスコード機能を搭載したソフトウェアの例

以下に、狭義のトランスコード機能を搭載したソフトウェアの例を挙げます。

Compressor
HandBrake
DVD Shrink
TMPGEnc Authoring Works
CloneDVD
DVD Copy Platinum
Pandora DVD Pro

これらのソフトウェアを利用することで、動画ファイルの形式変換やサイズ調整を簡単に行うことができます。

関連技術

データ移行: トランスコードは、異なるデバイスやフォーマット間でのデータ移行をスムーズにするための重要な技術です。
* Digital Living Network Alliance (DLNA): トランスコードは、DLNA環境でのコンテンツ共有を支える重要な要素となっています。

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