Compressor

Compressor（コンプレッサ）

Compressorは、macOS上で動作するプロフェッショナル向けの動画・オーディオエンコーディングアプリケーションです。Appleが提供しており、主にFinal Cut Proなどの映像制作ソフトウェアと連携して使用されます。

歴史

Compressorは元々、Final Cut Pro、Soundtrack Pro、Motion、DVD Studio Proといったプロ向けアプリケーションスイートの一部として提供されていました。これらのアプリケーションはFinal Cut StudioおよびLogic Studioという製品に統合され、Compressorもその一部となりました。

その後、Final Cut Pro XとMotion 5がリリースされた際、Compressorはバージョン4へとアップデートされ、他のアプリケーションとは独立してMac App Storeで販売されるようになりました。これにより、必要なユーザーが必要な時にCompressorだけを購入し、利用することが可能になりました。

2020年11月12日にはバージョン4.5がリリースされ、Apple M1チップへのネイティブ対応が実現しました。これにより、パフォーマンスと効率が大幅に向上し、より高速かつ省電力なエンコーディングが可能になりました。

さらに、2024年11月13日にはFinal Cut Pro 11のリリースに合わせて、Compressorもアップデートされ、空間ビデオのエンコードに対応しました。これにより、最新の映像技術を活用したコンテンツ制作をサポートしています。

機能

Compressorは、多様な動画・音声ファイル形式の変換に対応しています。具体的には、MPEG-1、MPEG-2、MOV、MPEG-4 (Simple Profile)、H.264、HEVCといった動画ファイルや、AIFF、WAV、CAFといった音声ファイルを扱うことができます。これらのファイルを、異なる形式や設定に変換することで、様々な用途に合わせた最適なファイルを作成することができます。

また、DVDやBlu-rayディスクの作成機能も搭載しています。メニューやチャプターの設定、ディスクへの書き込みなど、オーサリングに必要な機能が揃っており、手軽にディスクメディアを作成することができます。NTSCとPALの相互変換にも対応しており、異なる映像規格の変換も可能です。

Compressorの大きな特徴の一つとして、分散エンコーディング機能が挙げられます。これは、同一ネットワーク上の複数のMacにCompressorをインストールしておくことで、エンコーディングタスクを分散処理し、高速化する機能です。追加のソフトウェアは不要で、Compressorの設定だけで簡単に利用できます。この機能は、特に大規模なプロジェクトや高解像度の映像を扱う際に効果を発揮し、作業時間を大幅に短縮することができます。Mac1台では処理に時間のかかる高精度なエンコードも、分散エンコーディングによって実現可能です。

総括

Compressorは、プロの映像制作者にとって不可欠なツールであり、その柔軟性と高度な機能により、高品質な映像制作をサポートしています。常に最新技術に対応し、進化を続けるCompressorは、今後も映像制作の現場で重要な役割を果たしていくでしょう。

引用

Apple - Compressor - 概要
Compressor 4 - Apple サポート
Compressor リリースノート
Compressor ユーザガイド

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