トランプルド・アンダーフット

「トランプルド・アンダーフット」（Trampled Under Foot）は、レッド・ツェッペリンが1975年に発表したアルバム『フィジカル・グラフィティ』に収録された楽曲です。ジミー・ペイジ、ロバート・プラント、ジョン・ポール・ジョーンズの3名によって作詞・作曲され、ジミー・ペイジがプロデュースを担当しました。

1974年、ハンプシャー州のヘッドリィ・グランジにロニー・レイン所有の移動スタジオを設置して録音が行われ、その後ロンドンのオリンピック・スタジオでオーバーダビングが施されました。レッド・ツェッペリンは前作『聖なる館』でも「クランジ」というファンクナンバーを発表していますが、「トランプルド・アンダーフット」は、ジョーク的な要素の強かった「クランジ」とは異なり、より本格的なファンクロックとして完成されています。特に、間奏におけるジョン・ポール・ジョーンズのクラビネットソロは、ペイジのギターソロに匹敵する聴きどころとなっています。

歌詞は、ロバート・ジョンソンの1936年のブルースナンバー「Terraplane Blues」に影響を受けています。両曲ともに、自動車に関連する言葉を性的メタファーとして用いている点が共通しており、これはブルース音楽によく見られる表現手法です。また、スティーヴィー・ワンダーの「迷信」（Superstition）との類似性を指摘する声もあります。

「トランプルド・アンダーフット」は、アメリカをはじめとする数カ国でシングルカットされ、アメリカのビルボードチャートでは38位を記録しました。初期バージョンは「ブランデー＆コーク」というタイトルで、2015年にリリースされた『フィジカル・グラフィティ』のリマスター版コンパニオンディスクに収録されています。

「トランプルド・アンダーフット」は、1975年の初演以来、レッド・ツェッペリンのコンサートにおける定番曲となりました。コンサートでは、スタジオバージョンよりもテンポが速く、ジミー・ペイジによる長尺のギターソロがフィーチャーされるなど、よりハードなアレンジで演奏されました。1980年7月7日にベルリンで行われたレッド・ツェッペリン最後のコンサートでも演奏されています。ロバート・プラントは1988年のソロツアーでこの曲を披露し、2007年のO2アリーナでの再結成ライブでも演奏されました。公式ライブ作品としては、2003年発表の『レッド・ツェッペリン DVD』に1975年のアールズ・コート公演の模様が、2012年発表の『祭典の日（奇跡のライヴ）』に2007年の再結成ライブの模様が収録されています。

日本の音楽ユニット、B'zの1989年の楽曲「BAD COMMUNICATION」は、「トランプルド・アンダーフット」との類似性が指摘されています。

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