トリプルスリー

トリプルスリー (Triple Three)

トリプルスリーとは、日本プロ野球において選手が同一シーズンに、打率が3割、ホームランが30本、盗塁が30回以上という成績を達成することを示す用語です。この言葉自体は和製英語であり、他のリーグではあまり見られない特有の基準です。

歴史的背景

この用語が一般に知られるようになったのは1980年代からで、特に簑田浩二が1983年にこの記録を達成した際、野球ファンやメディアの注目を集めました。実際に、トリプルスリーを達成した選手としては、岩本義行、別当薫、中西太などが存在しますが、彼らが活躍していた時代には「トリプルスリー」という言葉は存在していませんでした。この成績は攻撃面で非常に高い評価を受けるものであり、特に優れた打者が求められます。

過去の偉業

1950年、川上哲治選手と1958年の長嶋茂雄選手はいずれも本塁打数でトリプルスリーの達成を逃したことで知られています。特に長嶋選手は一塁の踏み忘れによって「幻の本塁打」となってしまい、記録を逃しました。このように、トリプルスリーは一流の選手にとっても非常に難易度の高い目標とされています。

トリプルスリーの達成者

2015年のシーズンでは、福岡ソフトバンクホークスの柳田悠岐選手と東京ヤクルトスワローズの山田哲人選手が同期でトリプルスリーを達成しました。このことは日本では大きな話題となり、13年ぶりの達成者の誕生として注目されました。また、この年のユーキャン新語・流行語大賞では年間大賞に選出され、トリプルスリーが新たな時代を象徴する用語として広まりました。

山田選手はその後も、2016年と2018年にもトリプルスリーを達成し、複数回の達成は日本プロ野球界では初めてのこととなりました。これにより、彼の名はともに歴史に刻まれることとなり、トリプルスリーという成績がより一層特別なものとなりました。

アメリカの状況

アメリカのメジャーリーグでも同様の成績が「30-30」という形で評価されており、30本塁打と30盗塁が同時に達成されることは盛大に称賛されます。しかし、打率が3割以上であることは特別視されず、トリプルスリーという概念はほとんど知られていません。このため、英字新聞のジャパンタイムズでも、金本知憲選手や山田哲人選手の成績に触れた際には、主に数字で表現されることが一般的でした。

名称の由来

スポーツライターの宇根夏樹氏によると、トリプルスリーという名称はバスケットボールの「トリプル・ダブル」に由来しているのではないかという見解も示されています。このように、異なるスポーツの用語が融合することで、新たな文化が形成される様子も見受けられます。

まとめ

トリプルスリーは日本の野球界において非常に特別な存在であり、多くの選手にとって憧れの目標です。過去の偉大な選手たちの記録や現代の選手による達成が、今後もトリプルスリーという言葉を一層輝かせていくことでしょう。

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