トルコ国鉄 HT80000系電車

トルコ国鉄HT80000系 (TCDD HT80000)

[トルコ国鉄]]HT80000系は、トルコ国鉄]が運用する動力分散型の高速[[鉄道車両です。ドイツのシーメンス社(シーメンス・モビリティ)が製造を担当し、シーメンスの高速鉄道車両ブランドであるヴェラロをベースとしています。シーメンス側の呼称は『Velaro TR』です。主にイスタンブールとアンカラを結ぶ路線で活躍しており、最高速度は300km/hに達します。

概要

2013年、トルコ国鉄はシーメンス・モビリティとの間で、7年間のメンテナンス契約と運転シミュレーターの提供を含む17編成の調達契約を締結しました。車両は、初回に1編成、2回目に6編成、そして最終的に10編成の計3回に分けて納入される予定でした。しかし、2014年にトルコの公共入札委員会から書類の不備を指摘され、3次ロットの10編成は一旦キャンセルされました。

このキャンセルを受け、シーメンスはヴェラロの再提案を行いました。入札には、フランスのアルストム、スペインのCAF、カナダのボンバルディア・トランスポーテーション、韓国の現代ロテムなども参加し、最終的にアルストムとシーメンスによる競合の末、2017年1月30日に再入札が行われることになりました。

1次車は2015年5月23日にアンカラ-コンヤ線で営業運転を開始しました。2次車は2016年1月29日にドイツから発送され、2月17日にトルコに到着しましたが、営業運転への投入は2017年3月10日までずれ込みました。

設計

HT80000系は、ヴェラロDをベースに開発されました。1編成は8両で構成されており、必要に応じて2編成を連結した16両編成として運用することも可能です。摂氏-25度から40度までの環境に対応できるように設計されています。

外観

外観は、先代のHT65000系で使用されていた伝統的な「赤、白、ダークブルー」のカラーリングとは異なり、「白、ターコイズグレー」が採用されています。ヘッドライトの位置は、連結器寄りに配置されていたヴェラロ初期型のICE3Mよりも、フロントガラス寄りに配置されており、2世代目のユーロスター374形（ユーロスターe320）に近い印象を与えます。大幅なモデルチェンジは行われていませんが、ドア部の窓が拡大されたり、航空機スタイルの丸窓ではなく四角窓が採用されるなど、細部にわたって変更が加えられています。また、全ての機器がボディマウント化されているのも特徴です。

客室

1次車（Velaro D）は、定員460席で、内訳はエコノミークラス333席、ファーストクラス111席、ビストロ16席です。一方、2次車（Velaro TR）は、エコノミークラス424席、ファーストクラス45席、バリアフリー席2席、そして3つのコンパートメントに各4席の座席を備えたビジネスクラス12席、ビストロ36席の合計519席となっています。ファーストクラスには、パーソナルモニターが装備されています。

性能

HT80000系は、過去のヴェラロシリーズを基に、先頭形状が最適化されています。これにより、トンネル通過時の衝撃波や走行抵抗、騒音を抑制する効果があります。また、乗客1人を1km運ぶ際のCO2排出量を14グラムにまで削減しており、旅客機の有償旅客1人1km当たり136グラムと比較して、環境性能に優れています。1次車は最高速度が300km/hから320km/hに向上し、電圧や周波数も交流25kV・50Hzから交流15kV・16.7Hz / 交流25kV・50Hｚ / 直流1500V / 直流3000Vの4電源に対応するなど、ドイツ鉄道向けの仕様に準拠しています。インテリアや座席定員も2次車とは異なります。

事故

2018年12月13日、本形式の1編成が電気機関車列車と衝突する事故が発生しました。

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