トレジャー・プラネット

トレジャー・プラネット (Treasure Planet)

『トレジャー・プラネット』（原題: Treasure Planet）は、2002年にリリースされたディズニー制作の長編アニメーション映画です。この作品は、1950年に公開された同名の実写映画に基づいており、ロバート・ルイス・スティーヴンソンの名作『宝島』を宇宙の舞台に置き換えた異色の冒険物語です。日本では2003年に上映され、ディズニー作品が日本において公開されるのは、前作『ラマになった王様』以来約2年ぶりのことでした。

概要

本作は、銀河系の宇宙を舞台としており、海賊や宝探しのロマンを纏った物語です。特に、松本零士など宇宙漫画の巨匠からも注目を集めた作品であり、独特のビジュアルやスタイルが魅力のひとつです。

物語

物語は、惑星「モントレッサ」に住む15歳の少年、ジェームス・プレアデス・ホーキンス（通称：ジム）を中心に展開します。ジムは聡明さを持ちながらも、幼少期の父親による心の傷から非行に走ってしまっています。母親のサラは、そんな息子に手をこまねいており、心労が絶えません。

ある日、ジムは偶然宇宙船の墜落を目撃し、その中から老人ビリー・ボーンズを救助します。ボーンズは、「サイボーグに気をつけろ」という言葉と共に、伝説の宝が眠る「トレジャープラネット」への地図をジムに託し、息を引き取ります。この地図は、ジムが憧れていたかつての海賊、ナサニエル・フリントが隠した財宝への手がかりを示しています。

ジムは、母親の心配をよそに、ドップラー博士と共に「トレジャープラネット」を目指す旅に出ます。宇宙船R.L.Sレガシー号では、アメリア船長やサイボーグのジョン・シルバーなど、仲間や敵が入り交じりますが、ジムはシルバーに特に親しみを感じ始めます。しかし、シルバーが海賊のリーダーであることが判明すると、ジムは心の葛藤を抱えることになります。

登場人物

• - ジェームス・プレアデス・ホーキンス（ジム）: 本作の主人公であり、冒険心溢れる少年です。父親の出奔による傷を抱えながらも、家族を思いやる優しい性格。
• - ジョン・シルバー: 宇宙海賊のリーダーであり、ジムの師匠となるキャラクターです。心の中に善し悪しを持ち合わせた、魅力的な反英雄です。
• - サラ・ホーキンス: ジムの母親で、彼を育てるため奮闘する女性です。彼女もまた、息子の心の痛みを理解する一人です。
• - デルバート・ドップラー: ジムの冒険の保護者として旅に参加する宇宙物理学者です。
• - アメリア: 強気な女性船長で、船の運行に責任を持つ頼もしいビジョンを持っています。

その他にもモーフやベンといった個性的なキャラクターが登場し、物語に厚みを加えています。

音楽と製作秘話

映画の音楽は、音楽家ジェームズ・ニュートン・ハワードが担当し、観客の心に響くメロディを提供しました。また、主題歌を担当したジョン・レズニックは、アメリカの人気バンドGoo Goo Dollsのボーカルで、作品との相性も良いと評価されています。

『トレジャー・プラネット』は、アニメーションの魅力と冒険のロマンが詰まった作品であり、ディズニーファンや冒険物語が好きな人々に愛され続けている作品です。宇宙を舞台にした新たな「宝島」の物語を、ぜひ体験してみてください。

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