トレレウ

トレレウの概要

トレレウはアルゼンチンのパタゴニア地方に位置する自治体であり、チュブ州の重要な都市です。2012年の時点で、その人口は98,602人に達し、州都ラウソンを上回る規模を誇っています。トレレウは、商業と工業活動の中心であり、羊毛加工業においては国内全体の90%を占める一大拠点です。町の産業から生まれる製品は、主に近くの港であるプエルト・マドリンやプエルト・デセアドを通じて輸出されます。また、アルミランテ・マルコス・A・サール空港は、民間と軍事の両方で利用されており、アルゼンチン海軍航空隊の活動拠点でもあります。

歴史

トレレウの起源は、ウェールズ系アルゼンチン人の入植と密接に関連しています。特に、ラブ・ジョーンズ＝パリーとルイス・ジョーンズの二人は、1860年代初頭に入植者のために政府との交渉を行いました。1886年7月28日、トレレウには鉄道建設資材を搭載した汽船「ベスタ」と400人の入植者が到着しました。これを受けて、10月20日にトレレウが公式に設立され、後にチュブ川下流のプエルト・マドリンまでの鉄道が開通しました。この鉄道は1888年に運行を開始し、徐々に拡張されましたが、1961年には廃線となりました。ウェールズ人による入植の影響で、トレレウという名称もウェールズに由来しています。

1972年の事件

1972年には、トレレウで政治犯の虐殺が発生しました。この事件は、当時の軍事独裁政権に反対する者たちによる集団脱走がきっかけで起こりました。8月15日、110人の囚人が脱走を試み、警備員を一人殺害しました。中には飛行機を奪取しチリへ逃げることに成功した者もいましたが、残りの囚人は再度逮捕され、8月22日に空軍基地で16人が射殺されました。この悲劇的な出来事は、トレレウの人々に深い傷を残し、市民たちは反対運動を展開し、最終的には収容された仲間の解放を勝ち取ります。

文化と観光

トレレウは文化的にも豊かで、特にパタゴニア古生物学的遺産を展示する博物館が注目されています。この博物館は南米でも重要な研究機関とされています。また、トレレウを拠点にして、チュブ州内の観光地へアクセスすることができます。例えば、南米最大のペンギン保護区であるプンタ・トンボへも行くことが可能です。スポーツも盛んで、地元のサッカークラブであるラシン・トレレウやウラカン・トレレウ、ラグビークラブも存在し、地域のスポーツ熱を盛り上げています。

気候

トレレウはケッペンの気候区分でいうと乾燥気候(BWk)に分類されます。ここでは、暑すぎる夏がなく、涼しい冬を迎える一方で、年間を通じて降水量は少なめです。これにより、乾燥した気候の中で独特な自然環境が形成されています。

結論

トレレウは、歴史、文化、商業活動が融合した独自のエッセンスを持つ場所です。この町は、パタゴニア地域のほかの都市々と同様に、その独特な背景と魅力で訪れる人々を魅了しています。

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